2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋微生物からの制がん活性に関連した酵素阻害物質の探索
Project/Area Number |
08F08437
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN Yi 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 海洋微生物 / 放線菌 / カテプシンB / ヒストンデアセチラーゼ / 糸状菌 |
Research Abstract |
海洋研究開発機構所属の海洋微生物の分類と生物学を専門とする能木裕一博士との共同研究により、能木研究室から提供された海洋起源微生物の放線菌およそ300種および同糸状菌60株を探索源とし、生物試験として、ヒストン脱アセチル化酵素ならびにカテプシンBに対する酵素阻害活性および培養がん細胞に対する細胞毒性スクリーニングを実施した結果、活性の認められた株からの活性成分の単離・構造決定を行った。海洋性放線菌のA-232株の培養液がカテプシンBに対して阻害活性を示したため、大量培養を行い活性成分の分離を行った。培養液を濾過し、ろ液を酢酸エチルにて抽出した。一方、菌体はアセトンで抽出した。抽出物を合一し、逆相クロマトグラフィーにて分画した。得られた60%メタノール溶出画分をさらにSephadex LH-20を用いるクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび逆相高速液体クロマトグラフィーで精製し、ピークを分取した。現在、これらの構造解析を質量分析および核磁気共鳴スペクトルによって行っている。他方では、海洋性糸状菌のJMFO34株に含まれる細胞毒性物質の探索を行った。培養液の酢酸エチル画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相フラッシュクロマトグラフィーおよびアセトニトリル-水混合溶媒を移動相とする逆相液体クロマトグラフィーで精製を行い、活性物質を単離した。主要な活性物質はカビ毒として知られているグライトトキシンであった。現在、それ以外の活性物質の構造決定中である。
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