2009 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモンを介した骨代謝制御における 制御性T細胞の意義
Project/Area Number |
08F08471
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高柳 広 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Ling 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 骨粗鬆症 / 制御性T細胞 / アポトーシス / Noxa / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本研究計画は、自己免疫寛容の制御および免疫活性の抑制を担う制御性T細胞と骨代謝を担う骨構成細胞の相互作用について、骨免疫学の観点から明らかにすることを目的としており、その過程で、我々はBH3ファミリーのアポトーシス促進因子であるNoxa遺伝子が、破骨細胞の分化過程で誘導される事を遺伝子の網羅解析から見いだした。 In vitro培養系を用いた解析の結果、Noxa遺伝子欠損マウス由来の骨髄細胞から破骨細胞への分化が有意に亢進すること、またNoxa欠損骨芽細胞が強力に破骨細胞分化の支持能を有することが明らかになった。現在、in vivo骨解析からNoxa欠損マウスの骨形態を明らかにすることを試みている。 これまで閉経後骨粗鬆症モデルマウスを用いた実験から、エストロゲンによるFas-FasLを介したアポトーシスの破綻が骨粗鬆症の一因として破骨細胞の生死を制御している可能性が報告されたが、本研究成果は、Noxaが破骨細胞の分化過程において、RANKL刺激後に破骨細胞へと分化しない細胞を除去する運命決定、あるいは成熟破骨細胞の至適な生存期間の決定に関与している可能性とFas-FasL経路以外にp53を介したアポトーシスによる生存調節が破骨細胞において存在する事を示唆している。 今後、制御性T細胞による骨破壊の制御機構の解明を進めるのと同時に、Noxaによる新規の破骨細胞分化・機能についてそのメカニズムを明らかにしていく。
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