2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能レーダー干渉計とICCDカメラによる流星の電離と発光に関する研究
Project/Area Number |
08F08730
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
中村 卓司 国立極地研究所, 研究教育系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KERO Johan Ranold 国立極地研究所, 研究教育系, 外国人特別研究員
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Keywords | 流星物質 / フラグメンテーション / 大型大気レーダー / 流星ヘッドエコー / ICCDカメラ / 光電波観測 / 微光流星 / 電離プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、最近導入された超多チャンネルの受信系で高性能な電波干渉計が構成できる大型大気レーダー「MUレーダー」に、超高感度のICCDカメラを組み合わせて、電波および光学の高感度・高精度同時観測で、流星物質の大気との相互作用、とくに電離発光時のフラグメンテーションの物理を定量的に明らかにすることを目的としている。 本年度は、前年度に引き続き毎月24時間の光学および電波によるキャンペーン観測を行ない、多くの光学・レーダーの同時流星のデータを取得できた。また、10月にはオリオン座流星群の観測キャンペーンを国立天文台・渡部潤一氏らのグループとも共同で長時間にわたって行った。 データ解析ではICCDビデオ画像の解析方法を改良して1/60秒のフィールド毎のデータ解析を行い、研究員の開発してきたフラグメンテーションモデルとの比較を進め、2体に分離する流星の干渉および減速の様子を詳細に検討した。また、研究協力者の上田、藤原らの多点でのビデオ観測との同時観測も進めることができた。 また、EISCATレーダーとの比較では、とくにMUレーダーの広いビームを活かした散乱断面積の長時間にわたる変化の観測で、VHFレーダーの優位性を示すことができた。 以上のように、本年度はこれまでのデータに加えて観測データを拡張しその同時データ数は170例を超えこの種の観測では世界最高であり、さらにデータ解析を進めることで他に類をみない高精度のデータベースを得ることに成功し、その成果は国際会議で発表し好評を得た。現在論文を投稿中(改訂中)でありさらに数編を執筆中である。
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Research Products
(12 results)