2008 Fiscal Year Annual Research Report
硝子及びセラミック材料におけるナノ領域での応力解析
Project/Area Number |
08F08738
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
PEZZOTT G Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUNISSO Maria Chiara 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 外国人特別研究員 (50616084)
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Keywords | ピエゾスペクトロスコピック効果 / ラマン分光 / アルミナセラミック / ラマンテンソール / 結晶方位 / 残留応力 |
Research Abstract |
セラミックスのナノメートル領域での応力評価に着目した研究として、多様化する高機能新セラミックス材料の解析評価を目的とした計測手法の開発を行った。これはCL分光計測法を応用した評価法であり、新セラミックス材料の残留応力の高速解析、特性評価を可能とする技術を確立した。FEG-SEMによる材料表面の探査と併用することで、材料の原位置をナノスケールの空間解像度をもったプローブで走査することにより応力分布の可視化を実現した。実験としては、多結晶体BaTiO_3やAl_2O_3を試料としてCLスペクトルのバンド特性およびPS効果の評価を行い、残留応力の可視化に成功した。また、CL分光測定法を応用することによって領域構造の可視化も実現した。 上述のようにCL分光計測法を応用することにより、新セラミックス材料のナノメートルスケール空間分解能で化学的、結晶構造的、機械的に評価・可視化することが可能となり、またFEG-SEMにて直接、試料を非破壊的に検査する手法開発を行った技術的な意味は大きい。材料表面に残留する応力分布はPS法を用いたうえ、バンドギャップを応用、また欠損に由来する発光を解析することにより応力分布の可視化ができる。この研究の結果、セラミックス材料の化学的、結晶学的、機械的特性の相互作用のメカニズムが明確となり、各々の特性の挙動および役割についても解明されてきた。これらの成果は、電子励起イメージングと顕微鏡の組み合わせで構成される新機能ハイブリッド機器の具現化に大きく貢献することになると考えられる。
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