2008 Fiscal Year Annual Research Report
分離派建築会の展開-「分離」の対象をめぐる1920年代日本建築界の論考分析-
Project/Area Number |
08J00126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
天内 大樹 Osaka University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 伊東忠太 / ディスポジション / 分離派建築会 / バラック装飾社 / 今和次郎 / 構造派 |
Research Abstract |
本年度は予定通り、分離派建築会を象る5つの「境界線」のうち、着手済みだった<芸術/非芸術>の境界線をめぐり、成果を美学会の欧文機関誌や、デザイン史デザイン学国際会議の口頭発表とプロシーディングスで発表した。「様式」をめぐっては他の哲学・建築・美術史研究者らとの共著書という形で公刊した。「装飾」をめぐって大正イマジュリィ学会の機関誌に投稿した。これらは各地の大学図書館に残っている資料を元に考察を加えたものである。 また西洋由来の「建築」史の枠組みと、建築史学が参照した美術史学の枠組みとを検討するため、両ディシプリンの基本図書をサーヴェイし、併せて近代日本における建築と建築史学との役割を追究するべく、主に建築史学と社会学の書物をサーヴェイした。これに関連して、現代における建築家の役割を特にタワーマンションやショッピングモールといった建築タイプを通じて考察する日本建築学会シンポジウムの報告を同学会機関誌上で行った。また研究者の出身ディシプリンである美学と研究対象である建築について、『美術手帖』誌上で文献紹介を行った。併せて、英国の建築書の翻訳、メールマガジンの編集業務に携わり、いくつかの書物の編集協力、シンポジウムでのパネリストを務めた。
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