2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ゲルマニウムデバイスの実現に向けたゲートスタック技術の研究
Project/Area Number |
08J00433
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朽木 克博 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゲルマニウム窒化膜 / 高密度窒素プラズマ / 表面清浄化技術 / Ge-MIS |
Research Abstract |
Si-MOSデバイスを凌駕する高移動度Geデバイスの実現に向けたゲートスタック構造の作製を目的として、本年度では、Ge-MISデバイスにおける有望な絶縁膜であるが形成が困難とされている純窒化膜の成膜プロセスを確立し、その詳細な物性についての解析を行った。まず、窒化初期におけるGeの表面状態を独自の超高真空表面分析装置を用いて観察した結果、プラズマ窒化プロセスの初期反応において炭素不純物が除去される現象を確認し、ドライプロセスにおけるプラズマ窒化を応用した低温Ge表面清浄化技術を提案することに成功した。この研究成果について、英文論文誌Applied Surface Scienceに投稿し、受理された。続いて、高密度窒素プラズマを用いてGe表面を直接窒化することにより、酸素を含まない純窒化膜の作製に成功した。こうして作製した窒化膜の基礎物性を評価した結果、Ge酸化膜と比較して耐熱性及び耐湿性に優れており、窒化膜がGeチャネル上の絶縁膜として、あるいは高誘電率(High-k)膜との界面層として有望であることが分かった。この研究結果については、英文論文誌Japanese Journal of Applied Physicsに掲載されている。また、窒化膜の電気特性を評価した結果、非常に良好な絶縁膜であり、Ge基板との界面特性にも優れていることが分かった。加えて、フッ素イオン注入による窒化膜と基板の界面特性向上効果を見出した。これらの研究結果を国内外の学会で発表し、高い評価を受けている。さらに、各種High-k材料(A1系及びZr系酸化物)を導入した新規ゲートスタック構造の作製とその物性及び電気特性評価を現在行っており、第一原理計算に基づく窒化膜/Ge界面における物性の詳細な解析と合わせて、最終目標である窒化膜をベースとしたGe-MISデバイスの実現に向けての研究を進めている。
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Research Products
(11 results)