2008 Fiscal Year Annual Research Report
アメロブラスチン合成ペプチドの骨再生機序の解明と骨再生誘導療法への応用
Project/Area Number |
08J01351
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
飯塚 新二 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Ameloblastin / Enamel Matrix Protein / bone regeneration |
Research Abstract |
骨組織におけるアメロブラスチンの役割と骨再生療法への応用の可能性について、初年度年次計画に準じ以下のことを明らかとした。 1.アメロブラスチンN末端部合成ペプチド(AMB-N)のin vivoの効果について追加実験を行い、ラット頭蓋骨骨欠損モデルにおいてAMB-Nはcontrol群と比較して有意な新生骨の形成を示すことが明らかとなった。また、マイクロCT画像を撮影し、AMB-N群において3次元的に有意に形成された新生骨を確認した。 2.AMB-Nを分泌するベクターを用い、AMB-の持続的な局所への徐放を行う予定であったが、AMB-N(合成ペプチド)の移植で十分な効果が得られたため行わなかった。 3.アメロブラスチンを安定的に分泌する骨芽細胞を作製し、同細胞を用い、免疫沈降法にてアメロブラスチンと結合するタンパクの検討を行った結果、CD63(tetraspanin superfamily)がアメロブラスチンと結合することを明らかにした。 また、歯牙形成部位に時間・部位特異的に発現すると報告されているアメロブラスチンが、マウス成長時期の骨組織にも発現していることや、骨形成性疾患であるヒト骨肉腫症例やヒト骨肉腫由来細胞株にもその発現が認められることを明らかにした。 以上の結果より、アメロブラスチンは、骨組織形成とも密接に関係しており、骨芽細胞の石灰化を促進することが明らかとなった。また、AMB-Nは、骨組織再生促進能を有することが明らかとなり、骨組織再生療法剤に応用できる可能性が示された。現在、大動物実験への応用を検討するとともに、アメロブラスチン結合タンパクとして同定されたCD63との関係について検討を行っている。
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