2008 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙における粒子加速機構の解明に向けた、非熱的放射を示す超新星残骸の観測的研究
Project/Area Number |
08J01521
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 裕之 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | X線天文学 / 超新星残骸 / 白鳥座ループ / すざく |
Research Abstract |
全天で2番目に大きくX線で明るい超新星残骸である白鳥座ループの観測を行った。観測に用いたのは、ヨーロッパが打ち上げたXMM-Newton衛星と日本が打ち上げたすざく衛星である。前者の観測から、白鳥座ループの南西部にシェルの極めて薄い領域があることを発見した。白鳥座ループ南西部には球殻構造の破れがあることが知られており、起源はよくわかっていないが、星間物質の密度が他の領域に比べて薄いことが「破れ」の原因であることを突き止めた。本研究成果について国際学会で発表を行い、ApJに論文を発表した。また、すざくを用いて白鳥座ループ北部の観測を行い、重元素組成比が周辺より高い領域を発見した。この結果から、北部の一部領域で周辺密度の薄い領域があると結論付けた。本研究成果を論文にまとめPASJに発表した。また、白鳥座ループ内部の領域について21点の観測を行い、超新星爆発を引き起こした元の星が撒き散らした重元素の分布を調べた。この結果、鉄、シリコン等の比較的重い元素がループ中心に集中していること、またこれらの分布中心がこの天体の幾何学的中心とは一致しないことを発見した。分布のずれの原因はよくわかっていないが、元の星が非対称爆発を起こした可能性を示唆している。一連の研究成果をPASJに発表した。また、これらの研究成果は春季天文学会等で発表を行う予定である。さらに、白鳥座ループよりも年齢が若い非熱的超新星残骸G330.2+1.0について、これまでなされていなかったすざくによる観測を行うため、観測提案書を作成し提出した。受理された場合来年度中に観測が行われる予定である。
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Research Products
(8 results)