2008 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルMHDモデルを用いた乱流的磁気圏描像の再現
Project/Area Number |
08J01791
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 洋介 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 乱流磁気圏 / CIP法 / グローバルMHDシミュレーション / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 2次的不安定 / 粒子加速 / 乱流磁場 / プラズマ輸送 |
Research Abstract |
本研究では、高精度磁気圏グローバルMHDシミュレーションモデルを新たに開発し、磁気圏低緯度境界において成長すると思われるKH不安定による渦乱流、高速ジェットがもたらすプラズマシート中の磁気乱流を再現することにより、磁気圏でのプラズマ輸送・加速過程における乱流の役割を明らかにすることを目的としている。 これまで開発したCIP法によるMHD方程式の解法[Matsumoto and Seki,CPC,2008]をベースとした、磁気圏グローバルシミュレーションモデルの開発を行った。本年度では低解像度での計算(1グリッド=0.5R_E、0.25R_E)(R_E:地球半径)により、新規開発により発生する複数の問題点の解決、チェックを中心に行った。具体的開発要素としては、1.背景場分離、2.衝撃波捕捉用の人工粘性項の導入、3.内部境界条件の設定が挙げられる。2の衝撃波捕捉は、新たに衝撃波捕捉用の人工粘性[Ogata and Yabe,CPC,1999;Arber et al.,JCP,2001]を導入した。境界条件は、外部境界をopenにし、太陽風側の境界面を太陽風パラメタで固定した境界条件を課することにより、系に太陽風を流し続けた。また、地球中心から半径6R_E内部は初期値固定としているため、現時点では境界条件としての電離圏効果は含まれていない。以上の開発により、太陽風密度4/cc、速度V_x=400km/s、IMF B=(0,0,5)nT、プラズマβ=10.0の典型的な太陽風条件の下で、磁気圏前面におけるバウショックの形成、数点グリッドでの磁気圏境界の表現、高緯度での磁気リコネクションが確認され、北向きIMF時の基本的な太陽風-磁気圏相互作用を再現することに成功し、CIP法の特性が境界面の表現に効果的であることを確認した。今後は解像度を上げていくことにより、境界層におけるKH不安定の再現を目指す。
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Research Products
(16 results)