2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルMHDモデルを用いた乱流的磁気圏描像の再現
Project/Area Number |
08J01791
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 洋介 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 乱流磁気圏 / CIP法 / グローバルMHDシミュレーション / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 2次的不安定 / 粒子加速 / 磁気乱流 / プラズマ輸送 |
Research Abstract |
昨年度で開発した、CIP法によるMHD方程式の解法[Matsumoto and Seki,CPC,2008]をベースとした、磁気圏グローバルシミュレーションモデルの高解像度計算を行った。高解像度の大規模計算を行うには、大型計算機の仕様に対応させる必要がある。近年主流となりつつあるスカラ型の超並列計算機に対応させた数値コードの改良を行い、MPIとOpenMPを組み合わせた超並列計算が実行可能なグローバルMHDシミュレーションモデルの開発に成功した。 太陽風密度4/cc、速度V_x=400km/s、IMF B=(0,0,-5)nT、プラズマβ=5.0の条件で行った結果、本モデルによる高解像度計算では、低緯度磁気圏境界における渦の成長が再現された。昼側磁気圏境界での磁気リコネクションが種となり、夕方側の磁気圏境界から渦の成長が始まり、尾部に流されながら渦が発達する様子が得られた。シミュレーションで得られたデータを元に磁気圏境界の安定性について解析したところ、境界の速度シア層は不安定であり、KH不安定による渦生成であることが明らかになった。 さらに詳細に解析した結果、KH不安定の非線形発展に伴い、IMFと地球固有磁場が巻き込まれ、渦と渦の間で電流層が圧縮され、2次的に磁気リコネクションが誘発されることが明らかになった。磁気圏の脇領域における磁気リコネクションは観測的に示唆されていたが(Phan et al., Nature, 2000)、グローバルMHDシミュレーションによってKH不安定による磁気リコネクションが誘発されることを示したのは、世界で初めてである。
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Research Products
(14 results)