2008 Fiscal Year Annual Research Report
卵割パターンを産み出す遺伝子PEMの作用メカニズムの分子・細胞レベルでの解明
Project/Area Number |
08J01889
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
根岸 剛文 Osaka University, 理学研究科, DC2
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Keywords | 発生生物学 / 細胞分裂 / polo like kinase 1 / yeast two hybrid法 |
Research Abstract |
PEMは中心体の位置のコントロールを通して細胞分裂面の定位に働く分子であることをこれまでの研究により明らかにしてきた。しかしながら、PEMはこれまでのところホヤでしか見つかっておらず、また、既知のドメインが存在しない。そのため、PEMがどのように中心体の位置をコントロールしているか不明である。そこで、Yeast Two Hybrid法を用いたscreeningを行い、PEMがどのようなタンパク質を相互作用するかを調べることで、PEMがどのように細胞分裂面の定位に働いているかを解明することを考えた。 本年度は、まずscreeningに必要であるホヤcDNAライブラリーを8細胞期胚から抽出したmRNAを用いて作製した。続いてこのcDNAライブラリーを用いてPEMと相互作用するタンパク質をscreeningした。このscreeningにより、26個の候補タンパク質を得た。このタンパク質群の中にはpolo like kinase 1(Plk1)と非常に相同性が高いクローンが存在した。Plk1は細胞周期のコントロールや紡錘体の形成、位置の調節に非常に重要な役割を持っていることが明らかにされており、多くの研究結果がこれまでに示されている。また、この遺伝子ががん細胞の形成に関わっていることも明らかにされている。 Plk1は細胞分裂期において染色体の動原体と中心体の間に形成される微小管の束の形成に働いていると考えられている。このPlk1の働きはホヤ胚における不等分裂時にみられるPEMの働きに非常に似ているものと考えている。来年度はこのPlk1を中心としてPEMの機能の解明を行いたいと考えている。また、そのほかの候補タンパク質についても順次、解析を行うつもりである。
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