2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02160
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島田 貴士 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロイヌナズナ / オイルボディ / 種子 / オレオシン / 凍結耐性 / 形質転換 / 選抜マーカー / GFP |
Research Abstract |
本研究では,植物のオイルボディ膜タンパク質について,その生理機能を解明することを目標としている. シロイヌナズナ種子のオイルボディ膜タンパク質・オレオシンの機能解析について,オレオシンのノックアウト種子では,オイルボディが巨大化しやすくなり,種子の凍結耐性を失うことを見出した.この研究成果をThe Plant Journalに発表した. オレオシンの研究を進めるにあたって,シロイヌナズナ種子型オイルボディに大量に蓄積しているOLE1について,新たな成果が得られた.OLE1プロモーターの下流においてOLE1とGreen Fluorescent Protein(GFP)の融合遺伝子をつないだコンストラクト(pOLE1::OLE1-GFP)を作製した.このコンストラクトをシロイヌナズナに形質転換したところ,蛍光実体顕微鏡下で形質転換体種子のGFP蛍光を観察することが可能であることを見出した.このことを利用し,pOLE1::OLE1-GFPを形質転換の選抜マーカーとして,種子のGFP蛍光を指標にして形質転換体を選抜する系を確立した.F__-luorescence A__-ccumulating S__-eed T__-echnology(FAST法)と命名し,学会誌に投稿中である. オイルボディ膜タンパク質CLO3は,アブシジン酸に応答して発現する葉型オイルボディタンパク質である.CCLO3プロモーターの下流においてCLO3とGFPの融合遺伝子をつないだコンストラクト(pCLO3::CLO3-GFP)をシロイヌナズナに形質転換したところ,アブシジン酸処理をした場合でのみ,GFPの蛍光が観察された.このことを利用して,pCLO3::CLO3-GFP植物体に変異原処理を行い,アブシジン酸処理を行わない状態でもGFP蛍光が見られる変異体をスクリーニングした.現在2ラインの変異体系統が得られており,今後は原因遺伝子の特定を行う予定である.これらの変異体は,アブシジン酸による応答に異常があると考えられ,植物のストレス応答において,重要な役割を担う遺伝子の発見につながると考えている.
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