2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02736
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
忰山 高大 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共役系高分子 / 配列 / 配位結合 / 分子認識 / 自己集合 |
Research Abstract |
本研究では、機能性分子を用いて共役系高分子からなる超階層構造体の構築を目指した。今年度は、三次元階層構造体の前段階として、高分子の二次元異種交互配列制御に関する詳細な検討を行った。共役系高分子は、光学的・電気化学的に優れた性質を有するため、新たな高分子材料として期待されている。しかしながら、分子間の強い相互作用の為に会合しやすく、その応用が制限されてきた。さらに、2種類以上の高分子を溶液中でブレンドすると、相分離が起き、規則的配列するのは困難であった。これまでに我々は、機能性分子が高分子主鎖間を架橋することにより、規則的な二次元のシート状構造体へ集合させる手法を示した。 既報の機能性分子は、高分子との相互作用部位が1種類の分子から構成されていたため、1種類の高分子のみと規則的な会合体を形成した。そこで、2種類の相互作用部位を1つの分子に導入することにより、2種類の高分子を交互に配列することが可能になると考えた。実際に溶液中において、それぞれの相互作用部位が1種類の高分子とのみ選択的に相互作用していることを種々の分光学的手法を用いることで明らかとなった。さらに、透過型、および原子間力顕微鏡を用いて会合体のモルフォロジー観察を行ったところ、2種類の共役系高分子と機能性分子を混合した場合にのみ、規則的な周期構造を有する二次元シート状会合体が観測された。このことは、機能性分子が2種類の高分子間を架橋することにより形成されていると考えられる。この手法は、機能性分子と高分子を溶液中で混合し、基板にキャストするだけで、規則的な構造を有するシート状会合体が形成できる。この結果は、高分子が交互に配列した高分子薄膜を容易に形成可能性であることを示すとともに、混合する高分子をp型とn型を選択することにより、p-nバルクヘテロ型の太陽電池への応用が期待できる。
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