2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的脱アミノ化ヌクレオチドによる細胞障害とその防御機構の解明
Project/Area Number |
08J03650
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪山 輝昭 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脱アミノ化ヌクレオチド / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究は、酸化損傷ヌクレオチドであるITPとXTPにより機能阻害をきたす標的タンパク質ならびに新規損傷ヌクレオチド分解酵素の同定を目的とし、初年度(平成20年度)ではITP/XTP結合特性を持つタンパクについて、生化学的特性を理解し、さらにin vitroレベル及び細胞・組織レベルでの解析を進めることで、目的タンパクの機能を明らかにすることとした。 ITPおよびXTP固定化樹脂に結合するタンパク質として複数種同定し、その中から代表的なヌクレオチド分解ドメインを持つタンパク(ITPBP2)について組換えタンパク質を用いた生化学的機能解析としてヌクレオチド分解活性の評価を行った。ITPBP2はITPとXTPをはじめ、その2リン酸体であるIDPやXDP、dIDP、GDP、dGDPなどのヌクレオチドを主に分解することを明らかとした。さらにこれらの分解効率のよい基質について、反応速度パラメーター(Km,Kcat)を算出し、ITPBP2はIDP、dIDPを最もよい基質としていると考えられる。 TTPBP2のヒト組織別発現について、21種類の主要なヒト由来RNAをサンプルとしてreal-time PCR法により定量的な解析を行った。肺、腎にて比較的高いレベルでの発現が確認されたものの、解析した全組織で広く発現しており、組織における基本的な生体機能の発現・維持に関わっていると考えている。 現在、細胞内におけるITPBP2の機能を明らかにするため、培養細胞を用いた実験系でITPBP2の発現を阻害(siRNA法)した細胞株を用いて、細胞増殖、突然変異、細胞形質転換や細胞死に着目して解析を進めている。
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