2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05108
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小畑 一茂 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 好塩基球 / マスト細胞 / FcεRI |
Research Abstract |
<内容>好塩基球は末梢血中のわずか0.5を占める非常にマイナーな細胞集団であり、機能としてはマスト細胞と同様にFcεRIを発現していること、このFcεRIを解しか刺激により起炎物質であるヒスタミン、ロイコトリエン等を産生することが知られている程度であり、循環型マスト細胞等と呼ばれ、非常に無視された存在であった。我々は近年、この好塩基球及び一部のマスト細胞を特異的に認織する抗体Ba91を作製し、この抗体の機能及び、認識分子の解析を行ってきた。その結果、in vitroにおいでBa91は、好塩基球からIL-4などのサイトカインを分泌させ、マスト細胞の脱顆粒を誘導することが明らかになり、in vivoにおいてはIgE非依存性のアナフィラキシーを誘導することが明らかになった。また、Ba91の組織分子が好塩基球及び一部のマスト細胞に発現しているCD200R3を認識することが明らかになった。 <意義>アナフィラキシーは、急性かつ激烈な先進性アレルギー反応であり、生命を脅かすような危険な状態(アナフィラキシー・ショック)に陥ってしまうことがあるので、医療関係者の間では非常に恐れられている。近年、このアナフィラキシーの中には、IgE依存性のアナフィラキシーとIgE非依存性のアナフィラキシーがあることが知られている。我々は、IgE非依存性のアナフィラキシーの一つとして、CD200R3を介したアナフィラキシーかあることを報告した。<重要性>生命予後に重要な影響を及ぼす疾患であるアナフィラキシーの新たな原因分子を発見した。この発見が、今後の医療の向上及び、医療事故の減少、予防に深く役立つことが期待される。
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