2008 Fiscal Year Annual Research Report
PTK7による平面内細胞極性形成機構とその形態形成における役割の解析
Project/Area Number |
08J05257
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
迫 圭輔 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC2) (50786291)
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Keywords | 平面内細胞極性 / 初期発生 / ゼブラフィッシュ / PTK7 / Wnt |
Research Abstract |
本年度は、受容体型チロシンキナーゼ様分子PTK7が初期発生の形態形成に必要な平面内細胞極性(頂部基部軸に直交する平面内に発達する細胞極性)を形成する分子メカニズムを明らかにするため、以下の実験を行った。 1.これまでに我々は、PTK7が未知の分子Xに結合し細胞運動および細胞接着を制御することを明らかにした。そこでXを同定するためにPTK7に結合する分子をスクリーニングしかところ、PTK7は細胞外領域を介して糖鎖認識タンパク質Galectin-1と結合することが分かった。 2.PTK7と形態形成を制御するWntシグナルが機能的に相互作用しているか知るため、PTK7とWntシグナルに関与する分子が直接会合するか共免疫沈降実験法により解析した。その結果、Prickle1とPTK7が結合することを見いだした。また、Wntによる下流シグナルの活性化にPTK7が関与するか知るため、PTK7のノックダウンを行ったが、WntによるRhoの活性化およびアダプタータンパク質Dishevelledのリン酸化は阻害されなかった。 3.細胞膜に繋留される緑色蛍光タンパク質(GFP)をゼブラフィッシュ胚に発現させ、タイムラプスイメージングを行ったところ、発生過程の細胞の動きを詳細に観察することができた。 以上の結果から、PTK7は細胞外領域を介してGalectin-1と細胞内領域を介してPrickle1と会合することが明らかとなった。今後、生きた個体でシグナル伝達経路をリアルタイムで可視化できる系を構築し、PTK7がGalectin-1やPrickle1と如何に細胞運動、形態形成を制御しているか明らかにしていく。
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Research Products
(3 results)