2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05289
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日置 智紀 Kobe University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 低質量星 / 連星系 / 星周構造 / 原始惑星系 / 高空間分解能観測 |
Research Abstract |
年齢が100万年程度、質量が太陽程度の低質量星(Tタウリ型星)の周りには、ガスやダストで形成されている原始惑星系円盤や、ジェット構造があると考えられている。約1000天体存在するTタウリ型星の半分以上は連星系であることがわかっている。理論的には、単独星に付随する円盤は1つであるが、連星系には2種類の円盤が付随し、複雑な構造を成していると考えられている。私はすばる望遠鏡のステラーコロナグラフ(CIAO)を用いて、Tタウリ型連星系の星周構造の観測を行った。ハッブル宇宙望遠鏡を用いた可視撮像観測より、主星と伴星間の距離が約40AUの連星系であるXZ Tauから約560AUまで広がったジェット構造が検出されている。ステラーコロナグラフによる高感度、高解像度、そして高コントラストの観測によって、XZ Tauに付随するcavity wall(星周ネビュラの空洞壁の散乱光)を検出した。近赤外域の高分解能分光観測や可視光偏光観測から、この構造が星周ネビュラの空洞壁の散乱光であることを明らかにし、これらの結果を投稿論文として発表予定である。また、主星と伴星間の距離が約30AUの連星系であるFS Tauは、以下の3つの特徴を持つことがわかった。[特徴(1)]近赤外コロナグラフ画像のみで検出した、南から東に広がる構造。[特徴(2)]近赤外コロナグラフ画像と可視光画像で形が一致した、南北のアーム構造。[特徴(3)]偏光が小さい、かつ近赤外コロナグラフでは未検出のアーム構造。
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Research Products
(3 results)