2009 Fiscal Year Annual Research Report
構造制御された酸化物ナノワイヤヘテロ構造体の創成と室温動作ナノデバイスへの展開
Project/Area Number |
08J06136
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長島 一樹 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遷移金属酸化物 / ナノワイヤ / 界面構造制御 / VLS成長 / 金属触媒 / ヘテロ構造 / レーザMBE / 室温動作ナノデバイス |
Research Abstract |
前年度までに確立した単一酸化物ナノワイヤ電気伝導測定系を用いて、SnO_2ナノワイヤをモデル材料として電気輸送特性を評価した。非接触マイクロ波電気伝導測定法との比較、及び種々の検討により、金属/n型酸化物ナノワイヤ界面に在する電荷注入障壁が酸化物ナノワイヤの電気物性に大きな影響を与えることを明らかにした。更に、この電荷注入障壁が表面ドライエッチングにより改善する事を見出した。これにより多種多様な酸化物ナノワイヤの本質的な単一電気輸送評価が可能となる。 上記の界面効果を加味した測定系を構築し、MgO/Co_3O_4ナノワイヤの単一電気輸送特性を評価した。Co_3O_4はVO_2に歪効果を導入するために重要となるTiO_2層のwell-definedな成長の為のバッファ層である。評価手法として不揮発性抵抗変化現象に着目し、10nmスケールの制限ナノ領域において初めて不揮発性抵抗変化現象を実証した。更に、1億回の抵抗変化繰り返し耐性、及び10^4秒の抵抗保持時間を実証し、酸化物ナノワイヤ中における安定な不揮発性抵抗変化を確認した。駆動電流の劇的な低下(10^<-9>A)が観測され、消費電力~1μWの超低消費電力不揮発性メモリデバイスを実証した。上記酸化物ナノワイヤ素子と外気との相互作用を利用して、酸化物ナノワイヤ中に形成された伝導パスの物理起源、及び抵抗変化機構がナノ空間における酸化還元反応・電子状態変化に起因する事を明らかにした。これら一連の結果は不揮発性抵抗変化現象の本質に迫る重要な物理的知見であり、well-definedなCo_3O_4層の形成を意味する結果である。
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Research Products
(30 results)