2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子線エピタキシー法による酸化ガリウム系深紫外発光ダイオードの作製と評価
Project/Area Number |
08J06591
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大島 孝仁 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2) (60583151)
|
Keywords | 酸化ガリウム / 分子線エピタキシ / ホモエピタキシ / 深紫外光機能 / 伝導性制御 / 発光ダイオード / 光検出器 |
Research Abstract |
4.8eVの禁制帯幅を持つ酸化ガリウム(Ga_2O_3)半導体に着目し、分子線ニピタキシー(MBE)による高品質結晶の育成と伝導性制御により波長300nm以下の深紫外領域での発光ダイオードを目指して研究を行った。平成20年度の研究実績を以下に示す。 1.Ga_2O_3基板を用い、O_2ラジカルソースMBEによりGa_2O_3半導体薄膜の成長を行う条件を検討した。 Ga_2O_3基板を1000℃程度で酸素雰囲気中で熱処理を行うことで、ステップフローによる平坦性の優れたホモエピ成長膜を得ることができた。 2.発光ダイオード作製に必要な(InGa)_2O_3および(AlGa)_2O_3の成長とバンドギャップエンジニアリングを検討した。前者は相分離が大きいという問題があるが、後者はAl組成0.4までステップフロー成長し良好な表面モフォロジが得られた。 3.MBEで得られた薄膜の光学評価を行ったが、バンド端発光を得るに至っていない。この理由を解明し発光のための指針を得ることが今後重要である。 4.発光機能の探索の一方で深紫外域の受光機能について調べた。Ga_2O_3基板によるショットキー型光検出器を試作したところ、波長270nm以下の光に対して通常の照明下で1.5nW/cm^2の深紫外光を検出する能力をもつことがわかった。この受光機能は優れたもので、その応用例として高感度の炎検出研を実証した。
|