2008 Fiscal Year Annual Research Report
進行性腎障害の治療のためのTGF-β1標的新規遺伝子制御薬、PIポリアミドの創薬
Project/Area Number |
08J06618
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松田 裕之 Nihon University, 大学院・総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PIポリアミド / 腎硬化症 / TGF-β1 / 遺伝子治療薬 / HCaRG / 尿細管上皮細胞 / 細胞周期 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
1、進行性腎障害の治療目的に標的遺伝子TGF-β1のプロモーター領域にデザインされたPIポリアミドを、進行性腎障害のモデルラットに投与したところ、未治療群に比べて腎臓の糸球体障害や、間質の繊維化の有意な改善効果がみられた。このPIポリアミドは、投与間隔依存性に腎皮質のTGF-β1、細胞外基質の発現、尿蛋白も減少させた。以上より、生化学的にも組織学的にも腎硬化症の進展を血圧の変化と関係なく抑制していることが確認された。特異性についてマイクロアレイを用いて検討したところ、30000以上の遺伝子のうち変化のあった遺伝子は約3%であった。このうち成長因子、サイトカイン、細胞外基質について詳細な検討を行ったところプロモーター領域にTGF-β1と同様のAP-1結合領域をもつ遺伝子は4種類であったが、いずれもTGF-β1シグナルの下流に存在する遺伝子であった。現在、これら変化あった遺伝子に関して、役割やシグナル伝達、副作用など詳細な検討を行っている。 2、The hypertension-related,calcium-regulated gene(HCaRG)の腎臓での役割について検討するため、ヒトHCaRGを腎臓に過剰発現させた遺伝子改変マウスを作成し、一側尿管結紮マウスの繊維化モデルを用いて実験を行った。外因性HCaRGは、腎臓が障害を受けた時に尿細管上皮の増殖を抑制したが、細胞のアポトーシスや腎機能には影響を与えなかった。HCaRGは腎障害時の再構築(治癒)過程における尿細管上皮細胞の過剰増殖をコントロールしていると考えられる。これまでの検討により、HCaRGは腎尿細管上皮細胞の脱分化を抑制し、分化を誘導する因子であり、胎生期における腎臓の形成に関与している可能性が示唆され、虚血や薬剤性などの尿細管障害や尿細管機能障害の治療に役立つ分子ではないかと期待される
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Research Products
(4 results)