2008 Fiscal Year Annual Research Report
高度に設計されたポルフィリン錯体による金ナノ粒子の被覆:相乗機能発現と集積機能化
Project/Area Number |
08J06872
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大山 順也 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 粒径制御 / ポルフィリン |
Research Abstract |
本研究はポルフィリン錯体により金ナノ粒子を被覆し,金ナノ粒子の特性とポルフィリン錯体の特性の相乗効果の発現を目指している.採用第一年目の計画は,『ポルフィリン保護配位子の設計と合成』および『ポルフィリン錯体被覆金ナノ粒子の調製と構造の評価』である.計画通り,この2つについて検討した.金属をナノ粒子化すると,バルクとは異なる特異な性質を発現し,また,その性質は粒径に依存する.特に金においてはバルクでは不活性であるが,金属酸化物や高分子に分散・固定化された金ナノ粒子は触媒活性を発現する.その反応性はサイズに依存し,2nm付近を境に大きく変化する.そのため,金ナノ粒子のサイズ制御合成は重要である.本研究では,ポルフィリン環に対して同一方向に四つの硫黄原子を持つ四脚型ポルフィリン保護配位子を用いて金ナノ粒子の粒径制御合成を検討した.ポルフィリン保護配位子存在下,塩化金酸を還元することによって金ナノ粒子は調製でき,仕込み時の塩化金酸に対するポルフィリン保護配位子の比率を変化させることで,金ナノ粒子の粒子径を変化させることができた.四脚型ポルフィリン保護配位子は,金ナノ粒子の保護配位子として広く用いられているドデカンチオールよりも,金ナノ粒子の粒子径を高効率に制御できることが見出された.さらに,ポルフィリン保護配位子について,置換基の長さや末端官能基の異なるポルフィリン保護配位子を合成し,それらを用いて金ナノ粒子の粒径制御合成を行った.その結果,分子内で2つのジスルフィド結合を持つポルフィリン保護配位子を用いた結果,約2nmの金ナノ粒子が選択的に調製されるという特異的な結果が得られた.
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