2008 Fiscal Year Annual Research Report
半乾燥地における植生退行プロセスの解明および持続的土地管理基準の確立
Project/Area Number |
08J07002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 亜季 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 耕作放棄 / 放牧 / 半乾燥地 / 土地管理 / 植生 / 土壌水分 |
Research Abstract |
<土地利用に応答した植生動態の把握>植生の退行が認められる、過放牧地、耕作放棄地を対象に植生調査を行った。過放牧地については、家畜小屋に近づくほど放牧圧が増加すると仮定して、放牧傾度にそった植生の応答を把握した(A.Hoshino et al.,2009)。また、耕作放棄地では、放棄後2,9,18年の圃場を対象に植生の回復過程について調査した。特に、モンゴル草原の質の維持という点で重要になる、多年生イネ科草本の侵入に着目し、調査を行った。 <植物のストレス耐性の把握>草原の二次遷移過程で重要となる、多年生イネ科草本2種を対象として、半乾燥地で頻発する水分・塩分ストレスへの耐性について実験より明らかにした。既存研究では、各施用に対する応答の評価しかなかったが、本研究によって、各植物へのストレスを連続的に変化させ、モニタリングすることで、各ストレスの閾値を植物ごとに明らかにすることができた。この結果は、Plant and Soilに投稿予定である。 <土地利用による土壌中の水分移動特性の変化>耕作放棄地、過放牧地の傾度別の深さ別の土壌不撹乱試料を用いて、水移動特性を把握するため、蒸発法、蒸気圧法によって、低水分領域までの水移動特性の把握をおこなった。この結果は、Soil&Tillage Researchに投稿し、現在審査中である。 <実験データの検証>耕作放棄地、放牧地において、土壌水分、塩分、地温、気象観測を行うことで、実験で得られたデータおよびその解析結果の検証をおこなう予定である。これにより、シミュレーション結果の再現性を高めることが可能になる。現在は、データのまとめ、解析をおこなっている。
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Research Products
(4 results)