2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子核乾板検出器ECCを用いた低エネルギーニュートリノ反応の詳細解析
Project/Area Number |
08J07061
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福田 努 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC2) (10444390)
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Keywords | ニュートリノ / 原子核乾板 |
Research Abstract |
本年はS-UTSを用いたシステマティックなデータ取りが行える環境整備から始めた。オンラインチェックシステムを構築し、スキャン中に不具合が起こった場合は検知できるようにしたことで24時間体制でのスキャンが可能となった。これにより実験の全ECC100個をスキャンできる体制が整い、スキャニングは進行中である。次に取得した飛跡データを物理解析に耐えるデータセットにまで改良した。読み取られた飛跡集団を用いて乾板間の相互の位置合わせを行い、全飛跡の再構成を行うと共に4層のコインシデンスを取り、飛跡データの濃さ情報、角度情報を用いて1/10万のBG除去を達成した。このときの最小電離粒子の検出効率は70%である。このデータセットから実際にニュートリノ反応探索を行った。本研究の物理解析における第一目標であるニュートリノ反応からの生成粒子集団の角度分布、運動量分布の測定のために複数の飛跡がVTXを作る反応を探索し、1つのECCあたり約50個の反応を捉えた。これによりシステマティックなニュートリノ反応解析が行えることを実証した。
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Research Products
(4 results)