2008 Fiscal Year Annual Research Report
レポーター遺伝子導入マウスを用いた間葉系幹細胞の発生系譜に関する検討
Project/Area Number |
08J07365
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新部 邦透 Keio University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨髄幹細胞 / 神経堤幹細胞 / 中胚葉細胞 / フローサイトメトリー / 再生医療 |
Research Abstract |
これまでの研究で、神経堤由来細胞を標識するPO-cre/CAG-EGFPマウスより分離したPO+,PO-両方の分画に存在するMSCs集団はどちらも間葉系細胞への分化能を有する他、末梢神経、グリア、平滑筋への分化能を有していることが分かった。また、Mesp1-cre/CAG-EGFPマウスをフローサイトメーターにて解析した結果、Mesp1+,Mesp1-どちらの分画にもMSCs集団が存在していることが分かった。そして同じ様にどちらの分画からも脂肪、軟骨、骨へ分化する間葉系幹細胞をクローナルに分離することが可能であった。以上より、中胚葉由来の細胞中及び神経堤由来の細胞両方に、MSCsの性質を有する細胞が存在していることが確認できた。 現在、Mesp1-cre/CAG-EGFPマウスを用いて、同様に神経堤系細胞への分化能有無の解析を行っている。しかし、Mesp1-cre/CAG-EGFPマウスには、予想に反しMSCs細胞集団が少なく、Mesp1が中胚葉系細胞のマーカーとして適しているのかは議論の余地があり現在、より中胚葉系の細胞をトレースできる遺伝子群を探索中である。 いまだにMSCs、神経堤幹細胞の生体内での局在や起源は不明なままである。我々の研究でMSCsと定義される細胞の発生学的起源やin vivoでの局在、振る舞いが明らかになり、再生医療の細胞供給源をより安全で確実なものとすると考えられる。
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