2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミスマッチ塩基対と金属イオンの特異的結合を利用した一塩基多型の効率的検出法の開発
Project/Area Number |
08J07706
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小笹 哲夫 Tokyo University of Science, 理学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | 一塩基多型 / 糖尿病発症関連遺伝子 / ミスマッチ塩基対 / 金属イオン / 電気化学測定 |
Research Abstract |
標的二本鎖DNAの片方の鎖の5'末端をホール授受ができるアントラキノンで標識し、3'末端をチオール化して金基板上に固定化した。二本鎖DNAの塩基配列としては、インシュリン遺伝子のSNP(T〓A置換)やアディポネクチン遺伝子のSNP(C〓G置換)を含む配列を用いた。これらの二本鎖DNAのHg^<2+>及びAg^+非存在下・存在下における電流値を、電気化学的に解析することでミスマッチ塩基対の検出を行った。 また、我々が従来開発してきたSNP検出法は、T:T及びC:C以外のミスマッチ塩基対が関わる多様なSNPの検出には対応できず、このSNP検出法へのアプローチの適用範囲を広げるためには、T:T及びC:C以外のミスマッチ塩基対と特異的に結合する金属イオンを探索する必要があった。そこで、Watson Crick塩基対のみを含む二本鎖DNAと、T:T及びC:C以外のミスマッチ塩基対各々を含む二本鎖DNAについて、様々な金属イオンの非存在下及び存在下で二本鎖DNAの熱安定性を示す融解温度(T_m)を測定した。金属イオン添加後に、Watson Crick塩基対のみを含む二本鎖DNAのT_mは変わらないが、ミスマッチ塩基対を含む二本鎖DNAのT_mは上昇するような挙動を示す、ミスマッチ塩基対を特異的に安定化する金属イオンを探索した。T_m測定の結果、Cu^<2+>イオンがA:Gミスマッチ塩基対を含む二本鎖DNAを安定化するが、その他の塩基対を含む二本鎖DNAは安定化しない、という結果が得られた。さらに、この安定化は、二種類の異なる配列をもつ二本鎖DNAを用いたときにもみられた。
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