2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミスマッチ塩基対と金属イオンの特異的結合を利用した一塩基多型の効率的検出法の開発
Project/Area Number |
08J07706
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小笹 哲夫 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 一塩基多型(SNP) / 糖尿病発症関連遺伝子 / ミスマッチ塩基対 / 金属イオン / 電気化学測定 / 等温滴定型熱量計(ITC) / T-Hg-T塩基対 / C-Ag-C塩基対 |
Research Abstract |
一塩基多型(SNP)のハイスループットな検出を目指して,標的とする2本鎖DNAをAu電極上に固定化して電気化学的にSNPを検出する方法を確立することを目的とした.これまでは,標的2本鎖DNA中に電荷をドープするために2本鎖DNAをアントラキノンで標識して,T:Tミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとHg(II)イオンとの結合形成の有無,またはC:Cミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとAg(I)イオンと結合形成の有無を電気化学的に検出しようと試みたが,予想通りの電気化学的応答を得ることができなかった.そこで今年度は,2本鎖DNA中に電荷をドープするアプローチを検討して,2本鎖DNAの5末端側を標識する物質としてアントラキノンの代わりに,電子授受を行う物質として広く用いられているフェロセンを用いる方法を試みた. また,ヘテロデュープレックス法において,従来標的にした糖尿病発症関連遺伝子のT←→A置換およびC←→G置換のSNP以外の様々なSNPを検出可能にするためにT:TおよびC:C以外のミスマッチ塩基対と特異的に結合する新規金属イオンを探索することを目的とした.今年度は,これまでに2本鎖DNAの融解温度(T_m)測定の結果として得られたCu(II)イオンによるG:Aミスマッチ塩基対の安定化が,Cu(II)イオンとG:Aミスマッチ塩基対との特異的結合形成に基づくかを検討した、まず,G:Aミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合反応における熱力学的パラメーターをITCにより測定した.同様にして,Watson-Crick塩基対のみを含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合反応における熱力学的パラメーターをITCにより測定した,そして,G:Aミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合定数の値とWatson-Chick塩基対のみを含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合の結合定数の値を比較したところ,前者の値の方が後者の値よりも約10倍だけ大きな値となった.すなわち,Cu(II)イオンは,Watson-Crick塩基対のみを含む2本鎖DNAよりもG:Aミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAに強く結合するという結果が得られた.
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[Presentation] SOD1の結晶構造解析2011
Author(s)
伊原健太郎, 藤原範子, 鳥越秀峰, 小笹哲夫, 金田薫, 佐々木澄美, 山口芳樹, 若槻壮市, 谷口直之, 鈴木敬一郎
Organizer
第28回PFシンポジウム
Place of Presentation
つくば国際会議場(エポカルつくば)
Year and Date
2011-03-14
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[Presentation] 2-メルカプトエタノール修飾型Cu, Zn-SODの構造解析と安定性について2010
Author(s)
藤原範子, 伊原健太郎, 鳥越秀峰, 小笹哲夫, 金田薫, 佐々木澄美, 山口芳樹, 若槻壮市, 谷口直之, 鈴木敬一郎
Organizer
BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会 合同大会)
Place of Presentation
神戸ポートアイランド
Year and Date
2010-12-09
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