2008 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロニン依存タンパク質の非依存体への変換によるシャペロニン依存性の解明
Project/Area Number |
08J08701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 慶 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シャペロン / シャペロニン / シャペロニン依存 / タンパク質フォールディング |
Research Abstract |
シャペロニンGroEL/ESが存在しないとフォールディングできないタンパク質群(GroEL/ES依存基質)が存在する。この原因を解明するために、GroEL/ESの正常発現時と発現抑制時において、可溶性に変化が観測されるタンパク質を同定した。まず、従来までの報告にある、細胞内におけるGroELとの結合率からGroEL/ES依存性を算出する方法では、ただ結合しやすいタンパク質を間違ってGroEL/ES依存と同定していることが明らかとなった。結果、現在まで知られていたよりも、GroEL/ES依存基質は数が少なく、50個程度であることが明らかとなった。 この結果から、GroEL/ES依存基質の特徴として、TIMバレル構造が半分を占めること、シャペロンを含まない再構成型の無細胞合成系における可溶性が著しく低いタンパク質群であること、分子量はGroEL/ESで形成される空洞内に入りうる大きさであることが明らかとなった。さらに、GroELが存在しない生物における、大腸菌のGroEL/ES依存基質MetK(EcMetK)のホモログ(UuMetK)のGroEL/ES依存性を大腸菌にて解析したところ、UuMetKはGroEL/ESに依存せずにフォールディングしていることが明らかとなった。これらのことから、GroEL/ES依存性は構造に依存するが、同じ構造であっても配列の変換により変化することが示された。今後、UuMetKとEcMetKのキメラ解析や、今回同定した約50個のGroEL/ES依存基質の性質を解析することで、フォールディング段階でGroEL/ESを必要としなければならないタンパク質が存在する理由が解明されることが期待される。
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Research Products
(4 results)