2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08875
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 孝 Chiba University, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | VEGF / MMP-7 / sVEGFR-1(sflt-1) / CTGF / 線維芽細胞 / 血管新生 / 血管内皮細胞 / がん |
Research Abstract |
これまで本研究テーマにおいて、主要な血管新生因子として知られるVEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)が正常組織、がん組織いずれにおいても発現があるにも関わらず、血管新生はがん組織に特異的に起こる現象に注目し、実際の生体内ではVEGFを不活性化、活性化を調節する未知の機構があると仮説を立て研究を行ってきた。その際に、血管内皮細胞や線維芽細胞など、正常、がん組織に共通して存在する細胞はVEGFを不活性化する機構を持つこと、がん組織に特異的ながん細胞、炎症細胞などがVEGFを活性化する機構をもつと予想して研究した。 その結果、線維芽細胞から分泌されるVEGFは、CTGF(connective tissue growth factor)が結合することにより不活性化すること、また血管内皮細胞はほとんどVEGFを産生しないがパラクラインによりVEGFが内皮細胞の近傍に集まると、内皮細胞が産生するsVEGFR-1(soluble VEGF Receptor-1)が結合することにより不活性化することをそれぞれ実験で確かめた。さらにこういった内因性のアンタゴニストにより不活性化されたVEGFは自身が産生するMMP-7(matrix metalloproteinase-7)により活性化されることを見出した。その分子機構としてMMP-7が、CTGF、sVEGFR-1を選択的に分解することで抑制性の複合体からVEGFが解放されていることを見出した。これらの分子機構はリコンビナントタンパクのみならず、内因性のタンパク、細胞レベル、ヒトがん移植腫瘍モデルで起こることを実験上確かめた。
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[Journal Article] A crucial role for adipose tissue p53 in the regulation of insulin resistance2009
Author(s)
Minamino T, Orimo M, Shimizu I, Kunieda T, Yokoyama M, Ito T, Nojima A, Nabetani A, Oike Y, Matsubara H, Ishikawa F, Komuro I.
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Journal Title
Nat Med. 15(9)
Pages: 1082-7
Peer Reviewed