2008 Fiscal Year Annual Research Report
統計物理学の手法を利用した、経済主体のインタラクションを陽に入れた理論の構築
Project/Area Number |
08J09917
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
紺野 友彦 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Complex Networks / 統計力学 / 協力行動 |
Research Abstract |
Complex Networkという自然科学の分野から生まれた手法を経済学の分野に生かした。今年度の研究は、データを使った研究としては以下の二点。ちなみに二点とも日本の主要な企業をほとんど含む80万社の取引関係を含むデータセットを使った、これは世界的にも非常に珍しく貴重なデータセットであるが、これを用いて日本企業の取引関係を分析したものである。1、日本企業の取引ネットワークの基礎的分析:スケールフリー性、次数相関、階層性などの解析を行った。2、企業間の物理的距離とリンクの関係。1は以下に発表済みである。Konno,T.(2008).Network Structure of Japanese Firms-Hierarchy and Degree Correlation:Analysis from 800,000 Firms.Economics Discussion Papers,No 2008-39.理論研究としては、ネットワーク上での協力行動に関する分析を行った。企業や人間の関係をネットフークと捉える事が出来るが、どのようなネットワークが協力関係を促進するかと言う研究である。具体的には、ネットワーク上にエージェントを置き進化ゲームを行う。隣接頂点間でゲームが行われる。このような設定のもとで、どのような利得構造・ネットワーク構造ならばエージェント間の協力行動が促進されるのかを調べた。
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