2010 Fiscal Year Annual Research Report
触力覚情報の遠隔伝達のためのセンサ・ディスプレイ一体型デバイスの研究
Project/Area Number |
08J10009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 克成 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 触力覚センサ / 触力覚ディスプレイ / テレイグジスタンス |
Research Abstract |
本研究では、ロボットを用いた遠隔コミュニケーションにおいて、ヒトに触れ、触れられる触感を得られる触力覚デバイスの実現を目指す。触感の中でも特に"柔らかさ"と"温もり"に着目し、双方の触感を計測・提示できるセンサ・ディスプレイ一体型の触力覚デバイスを実現する。 本年度において取り組んだ課題は、主に3つ挙げられる。第1に、"柔らかさ"を伝達するための、力分布情報伝達システムの実装と評価である。前年度までに研究してきた、ヒト指と同等の形状と柔軟性を有する力ベクトル場センサと、力ベクトル場をバーチャルに再現可能な電気触覚ディスプレイの技術を用いて、ヒト指が直接モノに触れた状況を再現しながら機械的な指変形情報を伝達できるシステムを実現した。第2に、"柔らかさ"と同時に"温もり"情報を伝達するための、温度計測・提示手法の検討である。ヒト指と同等の柔軟性と温度を再現しながらデバイス表面の温度計測を可能とするために、温度によって色の変化する示温塗料を用いた光学式の温度計測手法を提案し、その計測精度を検証した。そして第3に、"柔らかさ"と"温もり"情報の同時伝達システムの構築である。指型の力ベクトル場センサと光学式の温度計測手法を組み合わせることで、ロボットに触られたヒトがロボット操縦者の触感を得ることができる、センサ・ディスプレイ一体型の触力覚デバイスを構築した。さらに構築したデバイスを用いて触力覚情報の伝達システムを実装し、構築したデバイスがロボットを用いた遠隔コミュニケーションにおいて有効であることを確認した。以上3つの研究課題の成果から、ロボットを用いた遠隔コミュニケーションのための"柔らかさ"と"温もり"の計測・提示を行える触力覚デバイスを実現した。
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