2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J10103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 千尋 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 経済史 / フランス / 移民政策 |
Research Abstract |
これまでフランスにおける移民政策研究は、第二次大戦後の政策の展開を主たる研究対象としてきた。これは、移民の統合が社会問題化した1980年代に、移民政策の再構築が模索され、政治学者や社会学者が中心となって政策研究を進めてきたためである。しかし、1990年代後半以降、ヴァンサン・ヴィエッツを始めとする歴史家によって1945年以前の国家介入の意義が強調されるようになった。本研究は、こうした研究に依拠しながら、第一次大戦期に国家が外国人労働省の集団募集に介入した画期性を重視し、両大戦間期における移民政策の変遷を分析することを課題としている。 本年度は、博士論文執筆に向けて一次史料の収集に専念した。実際に閲覧することができた史料は、以下の三種に分類することができる。まず、1930年代1940年代に移民政策に関与した官僚、専門家の個人文書である。次に、内務省、農業省、人口省等の行政文書である。最後に、外国人労働者の募集や雇用に積極的であった経営者団体の史料である。これら史料収集は国立文書館(パリ)、現代史料センター(フォンテーヌブロー)、産業界史料センター(ルーベ)において行った。 なお、本年度の研究成果は「1920年代フランスにおける移民労働者の組織化-移民会社(SGI)の活動を中心に-」『歴史と経済』(第200号、2008年)と、「移民と移民政策の変遷-1945年から1974年まで-」宮島喬編『移民の社会的統合と排除』(東京大学出版会、2009年(5月頃発行予定))に発表した。
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Research Products
(2 results)