2009 Fiscal Year Annual Research Report
外来捕食者と生息地域改変が奄美大島の在来生物におよぼす複合的な影響
Project/Area Number |
08J10113
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
亘 悠哉 Forestry and Forest Products Research Institute, 国際連携推進拠点, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 外来種 / 生物間相互作用 / 森林開発 / 地形 / マングース |
Research Abstract |
本研究では、外来捕食者と生息地改変の複合的な影響を明らかにすることを目的とし、21年度は主に奄美大島の調査データの整理、論文執筆と、海外の島嶼地域における調査を行い、成果の一般性を確かめる試みを行った。 1.マングース、ノイヌ、ノヤギによる影響が問題になっている奄美大島での調査 マングース、ノヤギ、在来種としてアマミノクロウサギの分布情報をGIS上で整理し、環境要因との比較を行った。環境要因では、過去の森林伐採の履歴や、ノヤギによる植生破壊や土壌劣化についての情報も整理した。 2.クマネズミを根絶したニューカレドニア・サプライズ島での在来生物群集調査 外来捕食者の根絶後の在来生物群集の回復が、環境要因によって異なるかどうかを調べるために、年度の後半はパリ第11大学に滞在し、フランス領ニューカレドニアのサプライズ島で、生物群集の調査を行った。過去のデータと比較すると、ウミドリ類、トカゲ類、植物、無脊椎動物類のすべてで顕著な回復が見られた。また、この回復の度合いは環境間で異なり、開けたパッチほど回復が顕著であった。これは、開けたパッチは、外来種の捕食圧の軽減の効果だけでなく、植生もより大幅に回復しており、これが在来生物の隠れ家や餌を提供するという、相乗効果が見られたと考えられた。環境の違いによる復元効果の違いを示したのは本研究が初めてであろう。
|
Research Products
(6 results)