2008 Fiscal Year Annual Research Report
多発性硬化症に併発する難治性視神経炎の発症メカニズム解明と神経保護療法の試み
Project/Area Number |
08J40002
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
原田 知加子 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 多発性硬化症 / 視神経炎 / EAE / グリア |
Research Abstract |
1.遺伝子変動に・るMOG-EAE惹起と病理学的解析 本研究ではMSの動物モデルとしてMOG-EAEマウスを用いている。野生型マウスと同様にOlig1KO,ASK1KOなどの遺伝子改変動物に対してもEAEを惹起し、それぞれの発症率や重症度の分析を行った。視神経炎発症ならびに重症度との関連をHE染色、Luxol Fast Blue染色、各細胞種マーカーの免疫染色、TUNEL染色、電子顕微鏡による神経軸索の観察などによって組織学的に解析した。視神経病変の重症度についてはVERISによる多局所ERGの測定を行った。 すでにASK1KOマウスでは野生型に比べEAEの重症度が低いことを見出している。今後はASK1シグナルの下流で動くp38やJNKの活性ならびに動態を免疫組織化学やウエスタンブロッティング法によって明らかにしていく。 2.EAE病巣部におけるグリア細胞の機能解析 EAEの病態メカニズム解明のため、本研究ではさらにグリア細胞の機能を解析する。ASK1KOマウスではEAE病巣部へのミクログリア浸潤が抑制されていることから、ASK1が病巣部でアストロサイトからのケモカイン分泌に関与している可能性が考えられた。そこでミクログリアの初代培養細胞から産生・分泌されるTNFαやIFN-γなどの炎症性サイトカイン、およびアストロサイトからのRANTES、MCP-1、IP-10などのケモカインレベルをELISA法などによって定量的に分析した。次にミクログリアの遊走能が変化している可能性も考えられることから、Transwellあるいはchemotaxis chamberを使用して遊走性を定量した。
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