1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041028
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
斎藤 晨二 名古屋市立大学, 人文社会学部, 教授 (70094373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
イワノフ ワシリー・ニコ 科学アカデミー人文科学研究所, 所長
池田 透 北海道大学, 文学部, 助手 (50202891)
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 助教授 (70178648)
井上 紘一 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10091414)
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Keywords | シベリア / サハ共和国 / 少数民族 / 狩猟 / トナカイ飼育 / 生業 / 環境問題 / 市場経済 |
Research Abstract |
1.シベリアの狩猟・牧畜民が生業を営む地域の自然環境の現状について、サハ共和国自然保護省における聞き取りと収集資料から、同国内でソ連時代に行われた産業目的の地下核爆発の影響が金の鉱山、製錬所周辺あるいは地質調査点などに深刻な問題を生じさせており、また、トナカイ苔とトナカイの肉、骨に他と比べて高レベルの放射能が検出されている。その他、火災による広大な面積の森林の喪失、狩猟獣の種類による著しい減少傾向、風土病とされる疾患の問題などが寒冷地特有の気候と相まって特に少数民族の生活に多くの困難がある。 2.(1)西シベリアとあわせて東シベリアの低地ツンドラにおける生業としてのトナカイ飼育と環境の問題を調査したが、従来報告されている西シベリアの環境破壊と生業の危機説にもかかわらず、地域によってはトナカイ飼育が順調に営まれ、将来性もあることが判明した一方、シベリア最東端のチュコト半島方面においては、トナカイ飼育が壊滅的な状況にあることが推測されるに至った。いわゆる市場経済との関連でこの問題はさらに詳しい究明を要する。 (2)いまひとつの生業としての狩猟に関しては過去40年間の資料の所在が明らかになったが、近年の傾向は狩猟獣の減少の他に、毛皮の質の問題、需要の減少、市場経済への対応の困難さなど、必ずしも楽観できない現況である。 3.ヤク-トの馬飼育文化と早春の南シベリアの調査は十分には実施できなかったが、南シベリア、モンゴル高原の牧畜文化の寒地適応としてのヤク-トの伝統文化の調査を当該研究課題に沿って詳しく次年度に進める必要があると考える。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 斎藤 晨二: "西シベリア北極圏の環境問題と少数民族" 民族の共存を求めて(2)(重点領域 北大スラブ研究センター研究成果報告書. 50. 55-64 (1997)
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[Publications] 斎藤 晨二: "サハ(ヤク-チア)における環境問題" 民族の共存を求めて(3)(重点領域 北大スラブ研究センター研究成果報告書. 52. (1998)
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[Publications] S.Sasaki: "Crisis of the Fur Animal Hunting of the Indigenous Peoples in Siberia and Russian far East" People and Culture,The Institute for Ethnological Studies,Hanyang Univ.Korea. vol.5(No.9). 173-191 (1997)
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[Publications] 佐々木 史郎: "「民族」解体-シベリア・ロシア極東先住民の文化・社会研究の枠組みに関する理論的考察" 民族の共存を求めて(3)(重点領域 北大スラブ研究センター)研究成果報告書. 52. (1998)
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[Publications] 佐々木 史郎: "シベリア・極東先住民のエスニシティと文化表象-地方博物館の展示をめぐって-」" スラブ・ユーラシアの変動:自存と共存の条件(重点領域 全体研究集会報告集6 北大スラブ研究センター). 6. (1998)
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[Publications] 高倉 浩樹: "角の民族誌-東シベリア・サハ共和国のトナカイ飼育民" 季刊民族学. 80. 74-89 (1997)
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[Publications] EcuAa Auycn: "Kyatypa nutahng ronaahckux hehyeb(vntenpertayng n coynaabhag aattaung)" Poccnnckag Akasemng hayk,Nmctuytyt 9thoaornn n Ahrponiaornn, 252 (1997)