1998 Fiscal Year Annual Research Report
ブルガリア・トラキア平野所在先史遺跡の考古学的調査・研究
Project/Area Number |
09041032
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
禿 仁志 東海大学, 文学部, 教授 (10186009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尾 誠敏 東海大学, 文学部, 助手 (90216599)
金原 保夫 東海大学, 文学部, 助教授 (20161614)
関根 孝夫 東海大学, 文学部, 教授 (70119684)
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Keywords | ブルガリア / テル遺跡 / 集落 / 発掘 / 青銅器時代 / 銅石時代 |
Research Abstract |
ブルガリア・トラキア平野中に所在する先史遺跡テル・デャドヴォの平成10年度発掘調査によって得られた知見を以下に記す: 1) 調査された遺構は例年通りカマドが最多を占め、27基を数えた。調査開始期からの総数は179基に達する。これらのカマドは基本的に住居の屋内に構築されていたものであり、この多数のカマド址の検出は,本遺跡が多数の住居からなる青銅器時代の大型集落遺跡であることを改めて確認させるものである。 2) カマド燃焼面の「帯磁率」測定を行い、カマド使用の実態を明らかにする資料を得ることができた。 3) 住居遺構は保存状態が悪く、一部を除いて検出できなかった。カマドの分布状況を基にして住居の分布を明らかにしていかなければならない。 4) 集落中央部をほぼ東西に走る「礫敷き道路」を確認した。すでに検出している「環濠」とあわせ、トラキア地方青銅器時代集落の構造を分析するための重要な資料である。 5) 前年同様、陸カメを埋置したピットを検出した。当時の信仰、祭祀を考える資料となるものである。 6) 調査区の一部にトレンチを開け、青銅器時代層とその下の銅石時代層の、およそ3.5メートルの厚さの土層堆積図を全長25メートルの範囲にわたって作成した。集落の変遷、編年確立への今後の基礎となるものである。 7) トレンチ調査に伴って、比較的多数の銅石時代の遺物を採集することができた。我々にとって青銅器時代の遺物との比較研究を進める最初の基本資料である。 以上
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[Publications] Takao Sekine and Hitoshi Kamuro eds.: "Djadovo Excavation 1997ーA Preliminary Report on the 11th Excavation at Djadovo.Bulgaria" Djadovo Studies. 1. 1-9 (1998)
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[Publications] 関根孝夫、禿 仁志 編著: "デャドヴォ遺跡(ブルガリア)第11次発掘調査報告(1997)" Djadovo Studies. 1. 10-72 (1998)
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[Publications] 禿 仁志: "ブルガリア、デャドヴォ遺跡の発掘調査-国際共同調査の一実例-" 学術月報. 52-1. 28-34 (1999)
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[Publications] 禿 仁志: "ブルガリアの青銅器時代-テル・デャドヴォ遺跡" 西アジア発掘調査報告会(予稿集). 6(印刷中). (1999)