1998 Fiscal Year Annual Research Report
大学入試における総合試験の国際比較研究-わが国の入試改善にむけて-
Project/Area Number |
09041041
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Research Institution | National Center Test for University Admissions |
Principal Investigator |
藤井 光昭 大学入試センター, 副所長教授 (70016343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁桝 算男 東京大学大学院総合文化研究科, 教授 (90091701)
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (20190085)
岩坪 秀一 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (20141997)
柳井 晴夫 大学入試センター, 研究開発部・部長, 教授 (60010055)
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Keywords | SAT / AAP / 大学入学後の成績 / 総合試験 / ETS / CSAT / PET / CBT |
Research Abstract |
今年度の調査研究活動は大きく以下の6つに分類される。 (1) アメリカの大学で行われている総合試験SAT,AAPの調査(藤井、岩坪) 米国の共通テスト実施機関であるETS及びACTを訪問し、共通テスト(SAT,AAP)によって測ろうとしている学力、テスト問題の作成方式、大学入学後の成績との相関等について種々の情報を得た。また、コロラド、ノースカロライナ両州立大学及びスタンフォード大学の入試担当関係者に会って、入学者選抜における共通テスト成績利用状況、大学教官との協力関係等を、総合試験の観点から聴取し、貴重な情報を得た。 (2) 障害受験生の総合試験と科目別試験の実施方法に関する国際比較調査(藤芳) アメリカのETS、イギリスのEducational Excellenceを訪問。障害受験生に対する試験実施に際し、総合試験が科目試験に比べ実施上の問題点が少ないことが明らかにされた。 (3) 韓国教育課程評価院(KICE)の訪問(藤井) 1999年3月3日〜4日に訪問し、総合試験の形式をとっているCSATについて、導入理由、出題方法、長所、短所等や大学側の見方等について調査した。 (4) 大学入学後の教育水準の維持に関する調査(小野) 大学入学後の教育水準の維持に関する各大学の制度やその実施状況についで、ボストンとハワイ、カナダの4大学でで調査を行った。少子化が進む日本における将来の大学入学者選抜方法や入学後の教育水準の維持方策について有用な知見を得る事ができた。 (5) ヨーロッパ調査(繁桝) フランスを訪問しバカ口レアについて調査を行い、さらにオランダを訪問し入試選抜方式についてを調査した。 (6)外国からの研究者の訪問(イスラエル:ベラ博士、アメリカ:ブラウン博士) イスラエルからベラ博士をお招きし、1981年から開始された大学入試のための統一試験であるPET(計量心理検査)(言語的推論、量的推論、および外国語)について講演しで頂いた。また、アメリカETS副所長ブラウン博士をお招きし、アメリカで研究が進展しているCBT(コシピュータベイストテスト)の現況について講演をして頂いた。二つの講演から、我が国において今後総合試験の問題作成、その評価を考えるうえで、有用な知見を得ることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小野 博: "アメリカの大学入学者選抜制度「米国の大学経営戦略」" 学校文化センター. 87-122 (1998)
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[Publications] 小野 博: "米国・英国のアドミッションズ・オフィスによる入学者選抜制度とその背景" 学校入試フォーラム. 21. 77-84 (1999)
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[Publications] 荒井克弘: "高校と大学の接続" 国立大学入学者選抜研究連絡協議会第19回大会セミナー資料. 1-17 (1998)
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[Publications] Haruo Yanai: "Generalized Ganonical Correlation Analysis with Linear Constraints" Data Science, Classification, and Related Methods (Ed by Hayashi et al.). 539-546 (1998)
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[Publications] 柳井晴夫・鈴木規夫: "個人の資質と大学の専門分野での適応に関する因果モデルの検討" 教育心理学研究. 46・3. 262-270 (1998)