1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041057
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
関 啓子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20107155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
レベジュフ イリナ ロシア科学アカデミー, 東洋学研究所, 日本研究部長
町村 敬志 一橋大学, 社会学部, 助教授 (00173774)
澤野 由紀子 国立教育研究所, 生涯学習研究部, 主任研究官 (40280515)
岡田 進 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (60014445)
木村 英亮 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70012391)
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Keywords | 民族アイデンティティ / ライフヒストリー / 教育改革 / 経済改革 / 民族教育 / 多民族・多文化都市 / 非ロシア人 / エスニック・メディア |
Research Abstract |
本年度の課題は、ウズベキスタンとカザフスタンにおける民族アイデンティティの形成について調査を行うこと、バシコルトスタン共和国において民族アイデンティティの形成と経済改革について調査を行うこと、モスクワの非ロシア人の中からアルメニア人を例に取りアルメニア人のディアスポラについての調査を行うことであった。当初計画したアゼルバイジャンにおける調査研究は、一度は研究分担者(現地参加)の病気により実施できず、再度計画したが今度は日本人研究者の家族の急病で急遽帰国せざるをえず実現しなかった。しかし、研究分担者(アゼルバイジャン人)が独自に資料収集と予備調査とを行ってくれた。 夏から秋にかけて、研究分担者である澤野がウズベキスタンとカザフスタンとを訪問し、教育調査を行い、教育改革や教育制度のありようを調査した。同木村はウズベキスタンで地方都市まで訪れ、歴史教育のあり方や歴史の解釈について調査した。秋には同小松がウズベキスタンでイスラーム文化研究の観点から調査を実施し、資料を収集した。また、冬には関がウズベキスタンにおける宗教施設や学校などの教育・文化施設でインタビューを行い、NGOなどからも聞き取り調査を行った。こうして、ウズベキスタンについては総合的考察のための準備が進んだ。夏から秋にかけて、研究分担者岡田がロシア連邦内のバシコルトスタン共和国とタタルスタン共和国とを訪問し、経済改革の実施状況などを調査した。3月には関が同じくバシコルトスタンを訪れ、民族間関係のあり方を、学校や文化施設などでのインタビューや市民(さまざまな民族)の聞き取り調査を介して考察した。こうして、昨年実施したタタルスタンとバシコルトスタンの比較研究の準備が整った。町村は秋にはアメリカ合衆国でアルメニア人のディアスポラについて調査を行った。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 関啓子: "ロシアに生きる非ロシア人のアイデンティティ形成" 一橋論叢. 120巻4号. 36-53 (1998)
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[Publications] 木村英亮: "ロシア連邦の少数民族" 横浜国立大学教育人間科学部紀要(第II類). No,1. 109-133 (1998)
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[Publications] 澤野由紀子: "『市民社会』への移行を促す生涯学習体系の構築-ウズベキスタン国の教育改革-" ロシア・ユーラシア経済調査資料 ユーラシア研究所. No,798. 2-13 (1998)
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[Publications] 町村敬志: "Symbolic Use of Globalization in Urban Politics in Tokyo" International Journal of Urban and Regional Research. Vol.22-2. 183-194 (1998)
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[Publications] 岡田進: "バシコルトスタン:主権国家への道と経済の現状" ロシア・ユーラシア経済調査資料 ユーラシア研究所. No,799. 15-34 (1998)
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[Publications] 澤野由紀子: "『開かれた社会』への道を模索-ウズベキスタン共和国の教育事情-" 内外教育. 2月26日号. 2-4 (1999)
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[Publications] 木村英亮: "1998年9月ウズペキスタン" ロシア・ユーラシア経済調査資料 ユーラシア研究所. 14-21 (1998)
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[Publications] 木村英亮: "植民地統制の再編成と民族運動の高まり" 歴史地理教育 歴史教育者協議会編. No,591. 8-14 (1999)
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[Publications] 関啓子: "中内敏夫・関啓子・太田素子『人間形成の全体史』比較発達社会史の冒険-ひとりだちをめぐるタタール人の葛藤の歴史" 大月書店, 341 (1998)
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[Publications] 木村英亮: "ロシア現代史と中央アジア" 有信堂, 256 (1999)
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[Publications] 町村敬志: "奥田道大編『講座社会学4都市』グローバル化と都市--なぜイラン人は『たまり場』を作ったのか" 東京大学出版会, 159-211 (1999)
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[Publications] 落合一泰: "田村克己編『文化の生涯』政治的資源としての先住民文明-19〜20世紀メキシコにおける文化的植民地と自己成形" ドメス出版, 345 (1999)