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1999 Fiscal Year Annual Research Report

変容するアフリカ牧畜社会の問題解決に見る内在的論理の人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 09041064
Research InstitutionKYOTO UNIVERSITY

Principal Investigator

太田 至  京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 河合 香吏  静岡大学, 人文学部, 助教授 (50293585)
作道 信介  弘前大学, 人文学部, 助教授 (50187077)
北村 光二  弘前大学, 人文学部, 教授 (20161490)
曽我 亨  弘前大学, 人文学部, 助手 (00263062)
Keywordsアフリカ / 牧畜社会 / 社会変容 / 近代化 / 内在的論理 / 問題解決 / 市場経済 / 民族間関係
Research Abstract

ケニアのトゥルカナとガブラ、アリアール、ウガンダのドドスとセベイという5つの牧畜社会を対象として、近代化の過程で急速に変容する社会環境に対して、人びとがどのように新たな問題を解決し対処しようとしているのかについて、現地調査と比較研究をおこなった。
1. 市場経済の浸透にともなって家畜の商品化が進行しているトゥルカナ社会では、家畜の価値が貨幣と対置されるようになり、「すぐに消費されてしまう貨幣」に対して「真の富、安定した富としての家畜」というように、牧畜的な諸価値を再評価する意識が発生していることが明らかになった。
2. トゥルカナ社会ではとくに心理的な不安や精神病とみなされる病気に対して、隣接民族に由来する治療法や、キリスト教に入信する治療法がひろまっていることが明らかになった。
3. ガブラ社会では、総選挙などの国家の政治状況と連動して民族の下位集団を単位とした政治的な対立が激化しており、それにともなって集団の歴史を意識的に再確認しつつ、集団への帰属を重層的に再編成する動きが出てきていることが解明された。
4. レンディーレとサンブルの境界域に住むアリアールは、ふたつの民族と頻繁に通婚しており、言語的にはバイリンガルであって集落や家屋の構造などもふたつの民族の折衷型をとるなど、文化的にはふたつの民族の要素が混在している。その一方では、みずからを独自の民族として自立・編成しようとする政治的な動きも顕在化していることが明らかになった。
5. 今年、深刻な旱魃にみまわれたドドスでは、隣接民族であるジエやトゥルカナとのあいだで家畜の争奪をめぐる争いが激化しているが、それに国家がつよく介入することによって、さらに争いが深刻化する状況が発生していることが判明した。

  • Research Products

    (6 results)

All Other

All Publications (6 results)

  • [Publications] Itaru Ohta: "Drought and Mureti's grave: The we/us boundaries between Kaokolanders and the people of Okakarara area in the early 1980's"Being the Herero (M. Bollig & J. Gewald, eds.) Rudiger Koppe Verlag,Colonge. (印刷中).

  • [Publications] 北村 光二: "コミュニケーションからみた『言語の起源』"人文社会論叢. 2. 45-70 (1999)

  • [Publications] 河合 香吏: "身体という「自然」-牧畜民チャムスの認識と行為から"『自然観の人類学』松井健(編)榕樹書林. (印刷中). 179-309

  • [Publications] 河合 香吏: "ケニア牧畜・チャムスの出産と赤ちゃん"ペイネイタルケア. 18(12). 35-42 (1999)

  • [Publications] Toru Soga: "The reorganization of the ethnic framework: The impact of the 1997 election on the Gabra, pastolalist in northern Kenya"Nile-Ethiopian Studies. 6(印刷中).

  • [Publications] 曽我 亨: "民族と「伝統」の変質 : 牧畜民ガブラが経験した1997年国会議員選挙"『国民国家の動揺と民族・宗教・言語』弘前大学人文学部(編). 1-14 (1999)

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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