1998 Fiscal Year Annual Research Report
GPSを用いたフィリピン海南東部のテクトニクスの研究
Project/Area Number |
09041096
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAMACHO Juan サイパン緊急管理局, 研究員
松島 健 九州大学, 理学部, 助手 (40222301)
小竹 美子 東京大学, 地震研究所, 助手 (60012944)
中尾 茂 東京大学, 地震研究所, 助手 (90237214)
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Keywords | GPS / 北マリアナ / フィリピン海 / プレート / 背弧拡大 |
Research Abstract |
マリアナトラフの現在の拡大速度を精密に推定する目的で,我々は1998年1-2月に初めてのGPS観測を実施し,予察的にではあるが背弧の拡大を検出した.本年度は,昨年度に引き続き1999年2月に再度GPS観測を実施し,最近数年間の観測点変位を精密に推定することとした.北マリアナ諸島のうち,我々は南からGuam,Saipan,Anatahan,Guguan,Pagan,Agrihanの.6島7点でGPS観測を実施した.基線解析に際してはGuamに設置した観測点を基準とした.得られた各観測点の局所的変位速度及び方位は,北から順に;Agrihan(12.4mm/yr,N113E),Pagan(26.0mm/yr,N70E),Guguan(28.9mm/yr,N73E),Anatahan(40.0mm/yr,N75E),Saipan(46.3mm/yr,N83E),Guam(57.8mm/yr,N93E),となった.この速度は基本的にマリアナトラフの両側拡大速度を示していると考えられる.南部から北部に行くにつれ拡大速度は減少している.さらに,変位の方向はほぼ東向きであるが,扇形に広がるような成分がみてとれ,マリアナ前弧が南北伸張を受けていることがわかる.背弧拡大の力学的メカニズムを考える上で重要な情報が得られたと言えよう. なお,当初予定の船の使用が緊急ドック入りにより不可能となったこと等のためヘリコプター使用に切り替えられた.このため,調査研究諸費はかさんだが,渡航者を減らすことが可能となり,申請時の渡航予定は変更することとなった.この変更により,本研究の当初目標は極めて順調に達成された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kato,T.,et al.: "Initial results from WING,the continuous GPS network in the western Pacific area" Geophysical Research Letters. 25. 369-372 (1998)
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[Publications] 小竹美子・加藤照之他: "西太平洋GPS連続観測網データの解析について(その1)" 測地学会誌. 44. 1-19 (1998)
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[Publications] Kato,T.et al.: "Crustal strains in the Japanese islands as deduced from dense GPS array" Geophysical Research Letters. 25. 3445-3448 (1998)
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[Publications] 小竹美子・加藤照之他: "GPS観測に基づくフィリピン海プレートの相対運動と西南日本のテクトニクス" 地震. 51. 171-180 (1998)