1997 Fiscal Year Annual Research Report
海洋地殻生成のダイナミクス-オマーンオフィオライトを例として
Project/Area Number |
09041101
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 助教授 (60200169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 英男 高知大学, 理学部, 助教授 (00142349)
海野 進 静岡大学, 理学部, 助教授 (30192511)
石川 剛志 静岡大学, 理学部, 講師 (30270979)
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
川幡 穂高 地質調査所, 海洋地質部, 主任研究官
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Keywords | オフィオライト / 海洋地殻 / オマーン / マントル / 斑れい岩 |
Research Abstract |
オマーンオフィオライト北部の岩脈は概ね南北走向で西に急傾斜する.上位の溶岩層と岩脈は貫入関係と断層で接し,両者の境界は鉛直方向に100m以上の起伏がある.深成岩体-岩脈群の遷移帯は厚さ30m足らずで,100%岩脈からほとんど岩脈の内ドレライト組織を持ったガブロに移り変わる.岩脈の両側とも他の岩脈に貫入されているものも含めて1662枚の岩脈について厚さを計測したところ,1m以下のものが72%を占め,20cm以下の薄い岩脈も29%に達している.両側とも急冷縁を有する岩脈は990枚であり,そのうち70%が1m以下,32%が20cm以下である.岩脈はほとんど全て無斑晶質であり,シート状岩脈群の上部では多くが細粒〜粗粒の玄武岩組織を有するが,中部から下ではドレライト組織を示す.岩脈群最下部からガブロへの遷移帯にかけては粗粒化が顕著で,マグマ溜り直上の高い温度勾配と調和的である. オマーンオフィオライト北部の従来一連と見られてきた斑れい岩体は,生成時期の異なる二つに分けられることが明らかとなった.ホモ面とシート状岩脈群の間に挟まれる斑れい岩と,シート状岩脈群や上部斑れい岩によって貫入される斑れい岩である.こうした現象は,海嶺伝播に伴った一方の海嶺軸におけるマグマチェンバー(MC)の終焉・後退と,もう一方の海嶺軸におけるMCの前進によってもたらされた可能性が高い.MCの終焉・後退は,新たなマグマ供給を絶つのでより分化した岩石を形成する.一方,前進しつつある海嶺軸の先端部では,既存の海洋地殻にまず岩脈群が貫入してゆき,その背後からMCが前進してくることによって,斑れい岩が貫入していったと考えられる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Arai, Sand Matsukage, K.: "Petrology of a chromitite micropod from Hess deep,equatorial Pacific." Lithos. 印刷中. (1998)
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[Publications] Arai, S.: "Origin of podiform chromitites" Jour.Asian Earth Sci.15. 303-310 (1997)
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[Publications] 宮下 純夫 他: "日高帯の緑色岩の意義:海嶺の多重衝突" 地質学論集. 47. 307-323 (1997)
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[Publications] Umino, S.and Horio, A.: "Multistage magma mixing revealed in phenocryst zoning of the Yunokuchi pumice,Akagi volcano,Japan" Jour.Petrology. 39. 101-124 (1998)
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[Publications] Miyashita, S.et al.: "The Nipesotsu greenstone complex-the largest body of greans tone complex in the northern Hidaka zene,Hokkaido" Jour.Geol.Soc.Japan. (印刷中). (1998)
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[Publications] Arai, S.: "Comments of the paper “Primitive basaltic melts in clud in podiform chromites from the Omay Ophiolite"by P.Schiano.et al." Earth.Planet.Sci.Lett.(印刷中). (1998)