1997 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン諸島のネオテクトニクス解明のための総合研究
Project/Area Number |
09041107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 敬宏 京都大学, 総合人間学部, 助手 (40233077)
石川 尚人 京都大学, 総合人間学部, 助手 (30202964)
巽 好幸 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40171722)
渋谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
平原 和朗 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165197)
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Keywords | マコロード回廊 / リフティング / 広域地殻変動 / GPS観測 / 古地磁気学 / 地球年代学 / K-Ar年代 / フィリピン |
Research Abstract |
[測地学的研究] フィリピン・ルソン島北部のマコロード回廊におけるリフティングおよび拡大の有無を検証するためのGPS観測を引き継ぎ、1997年4月には、ルソン島、ミンドロ島、マリンドゥケ島内の計13ヵ所において、1997年11月ルソン島、ミンドロ島内の計7ヵ所おいて、それぞれ5日間のGPS連続観測を行った。現在データ解析中である。さらに、フィリピン南部における広域の地殻変動を検出するため、1997年11月にミンダナオ島、パラワン島内の1ヵ所において10日間のGPS連続観測を行い、また、1998年3月にはミンダナオ島内の2ヵ所に観側点を設けた。 [地球化学的研究] これまでに採集したルソン島タールカルデラ火山地域の溶岩試料の、予察的なK-Ar年代測定及び蛍光X線分析を京都大学において行った。また、1997年11月にマコロード回廊地域の玄武岩質単成火山群とマ-ル群の溶岩・火砕物試料と、ラグナ・デ・ベイカルデラ火山周縁部の溶岩試料の採取を行った。これは、タール及びラグナ・デ・ベイのカルデラ火山とそれらマグマ溜まりの形成が、マコロード回廊地域の玄武岩マグマの活動と関与しているかどうかを、K-Ar年代測定によるそれらの活動時期、及び岩石化学的性質から検証するためである。現在それらの測定試料の準備中である。 [古地磁気的研究] 1997年11月にマコロード回廊周辺域において古地磁気学的研究用の試料採取を行った。既存の年代データおよび地域性を考慮し、試料採取はMt.Paylay Paylay、Laguna de Bay 北北西域およびタリム島、サンパブロ市周辺、Mt.Pinamucanの4地域22地点で行い、合計147個の溶岩類、熔結凝灰岩類、堆積岩類の定方位試料を得た。露出状況は概して良くなかったが、年代的には約5Ma〜1Maの時代幅の試料が地域的に分散して採取でき当初の目的は達した。試料は残留磁化測定のために整形を行い、現在パイロット試料にたいして、残留磁化の安定性の検討および磁気成分の分離のための古地磁気学的実験を行っている。
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[Publications] G.M.Besana.H.Negishi and M.Ando: "The three-dimensional attenuation structure beneath the philippine archipelago based on seismic intensity data inversion" Earth and Planetary Science Letters. 151. 1-11 (1997)
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[Publications] K.Tadokoro et al.: "Seismic Monitoring in West Central Philippines" 地球惑星科学関連学会 1997年合同大会予稿集. 1. 800-800 (1997)
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[Publications] 中野 健秀 他: "マコロード回廊におけるGPS観測" 日本地震学会 講演予稿集. 2. 134- (1997)
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[Publications] T.Nakano et al.: "GPS Measurements in Mocolod Corridor,Philippines" EOS. 78・46. F161-F161 (1997)