南北両半球温帯林における広葉樹材構造の平行進化と系統の解析

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09041143
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 鈴木 三男 東北大学, 理学部, 教授 (80111483)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 黒沢 高秀 福島大学, 教育学部, 助教授 (80292449) ; 大場 秀章 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20004450) ; 高橋 晃 姫路工業大学, 自然科学研究所, 助教授 (30244693) ; 能城 修一 農水省森林総合研究所, 木材利用部, 室長(研究職) ; 御影 雅幸 金沢大学, 薬学部, 助教授 (50115193)
• Keywords: 南北両半球 / 温帯林 / 広葉樹 / 木材構造 / 平行進化 / 系統

Research Abstract

平成9年8月から9月にかけてネパール中部ゴサインクンド付近及びネパール東部アルン川流域に於いて現地調査を行った.この調査では温帯林を中心に亜熱帯林から亜高山帯林,そして高山帯までを調査し,約400の木材試料,250のDNA試料及び8000点のさく葉標本を蒐集し,日本に持ち帰った.蒐集した試料の中には中国からヒマラヤ地域にしかない無道管双子葉類のスイセイジュ等も含まれ,原始的双子葉類の形態,DNA解析が可能となった.
また,平成9年12月にニュージーランドの南島及び北島を自動車を利用して調査し,約180点の木材試料,120点のDNA試料及び580点のさく葉標本を蒐集し,日本に持ち帰った.この蒐集品の中にはやはり無道間双子葉類のシキミモドキ科の試料が含まれている.
これらの調査で持ち帰った木材試料は光学顕微鏡用のプレパラートの作成を順次進めており,それの済んだ残片を電子顕微鏡用試料として保管している.また,DNA試料に関しては,無道間双子葉類,ブナ科,キク科など特定のグループに関して葉緑体DNAの解析を始めており,順次蒐集した全試料についても行う.また,さく葉標本は同定作業を進めており,またネパールの標本同定のためにナビンアチャルヤを平成10年2月から3月にかけて招へいし,国内に於いて同定が困難なグループの同定が進展した.