1997 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジル国における病原真菌の遺伝学的生態に関する研究
Project/Area Number |
09041173
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福島 和貴 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教授 (90114321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DE Lima Fith ブラジル連邦ペルナンブコ大学, 生物科学部, 助教授
DE CamposーTa ブラジル連邦ペルナンブコ大学, 生物科学部, 教授
DE Carvalho ブラジル連邦ペルナンブコ大学, 生物科学部, 教授
横山 耕治 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助手 (80092112)
吉田 祚一 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助手 (20114340)
亀井 克彦 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教授 (10214545)
西村 和子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (00114314)
宮治 誠 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (40009494)
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Keywords | 病原真菌 / 黒色真菌 / 分子疫学 / 生態 / ブラジル |
Research Abstract |
平成9年度の活動は,ブラジル側カウンターパート(Galba Maria de Campos-Takaki教授,ペルナンブコ大学)の9月における招へいに始まる.ブラジルでの調査の地域,内容,方法等について同教授と討議を行い,ブラジル北部,東北部のナタール,フォルトアレーザ,モッソロ,レシフェ市周辺,およびサンパウロ州のカンピーナス大学が調査地として決定された.前半の3都市周辺地域からの試料については,半乾燥地の黒色真菌類の生態研究に焦点をあて,さらに収集試料からの菌類の分離作業の拠点としたペルナンブコ大学では,臨床分離の黒色真菌症原因菌を含めた疫学,生態研究をも加えた計画が具体化された.後者のサンパウロ地域ではHIV感染などの感染症患者からの真菌症起因菌の収集を当面の目的とすることも同時に計画された.これら計画に従い,研究代表者を含めた3名が10月から11月にかけて派遣され,調査研究を行った.その結果,総数で約500の菌株が収集できた.現在もそれらの同定研究が継続されているが,自然界からの黒色真菌ではCladosporium属が大量に分離され,そのほかAspergillus, Aureobasidium, Phoma属菌なども得られ,そのほかの菌種ではPenicillium, Fusariumu属菌などマイコトキシン産生との関連で収集された.臨床的にはPhialophora, Fonsecaea, Cladosporium属の黒色真菌のほか,皮膚糸状菌のTrichophyton属菌も得ることができた.また深在性真菌症ではCan dida albicansを筆頭に,Can dida属菌がやはり最大の原因菌として分離された.現在これらの分離菌についてRandam Amplified Polymorphic DNA法などにより,DNAの多型性の解析が進められている.
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[Publications] Ayako Sano: "Antigenic similarities to Paracoccidioides brasiliensis in thermo-dependent dimorphic fungi isolated from soil in Botucatu, Sp, Brazil" Mycopathologia. 138. 37-41 (1997)
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[Publications] Jin Cui: "Histopathological and electron microscopial studies on experimental Penicillium marneffei infecton in mice." J. Med. Vet. Mycol.35. 347-353 (1997)
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[Publications] Fukushima, K.: "Ubiquinone systems of pathogenic fungi and morphologically similar taxa." In “Fungal cells in biodefense mechanism" (S. Suzuki and M. Suzuki eds.) Saikon Publishing Co.25-30 (1997)
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[Publications] Nascimento, A. E.: "Effects of tween 80 on protease production by Candida lypolytica" Buletin Micrologic. (in press). (1997)
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[Publications] Sarubbo, L. A.: "Bioemulsifier production in batch culture using glucose as carbon source by Candida lipolytica" Appl. Biochem. Biotech.(in press). (1997)