1997 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおけるHIV/AIDS流行に関する実態調査 および行動科学的疫学的研究
Project/Area Number |
09041189
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
曽田 研二 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80154706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水嶋 春朔 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60281739)
伊藤 章 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50046059)
北村 勝彦 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30195284)
森尾 眞介 鳥取大学, 医学部, 助教授 (10116379)
田島 和雄 愛知県がんセンター, 研究所疫学部, 部長 (30150212)
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Keywords | HIV-AIDS / カンボジア / 疫学 / 行動科学 / STD / 血清抗体保有率 |
Research Abstract |
平成9年度の本研究は、前2年間におけるカンボジア国主都圏におけるHIV感染危険集団の性行動調査と関連するものであるが、それを更に発展させ、(1)地域をタイ国境のHIV流行地域のBantey Mean Chey州での直接売春婦(DCSW)、間接売春婦(ICSW)、男性顧客の性行動調査、(2)直接・間接売春婦の血清材料による性病等(HIV,B型肝炎,クラミジア,梅毒等)の抗体検査を実施し、これら危険集団の性行動とHIV/STDのの罹患の関係を調査するものである。 性行動調査は、既に相手国共同研究者により1997年6月に全て終了した。面接調査終了者は、DCSW204名、ICSW96名、顧客200名であった。これらの成績は8月に相手国より研究協力者1名を招へいし、鳥取大学で解析・検討した。 血清学的検査については、DCSWでは、HIVスクリーニング陽性率54%、梅毒TPHA8%。HB抗原9%、HB抗体35%、ICSWではそれぞれ、23%,3%,5%,34%であった。HIV抗体確認検査(Western Blot)およびクラミジア検査検査はその検体を日本に持ち帰り、現在日本側の手により検査を実施している。 過去3年間にわたる調査を通じて、HIV/AIDS流行は、東南アジアではややその勢いが減速しているなかで、カンボジアでは依然として拡大を続け、現在、リスク集団を中心としたHIV感染予防が緊要であることを痛感した。
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[Publications] K.Soda, S. Mizushima: "Health Care System in Transition II.Japan part II The current status of AIDS-HIV in Japan" J. of Public Health Medicine. 20・1. (1998)
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[Publications] 北村 勝彦, 曽田 研二: "日本のHIV感染・AIDSの疫学" 総合臨床. 46・3. 416-422 (1997)
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[Publications] 曽田 研二,他: "カンボジアにおけるHIV/AIDS流行状況と対策に関する調査報告" 日本公衆衛生雑誌. 44・5. 411-418 (1997)
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[Publications] 平林 国彦, 曽田 研二,他: "中国雲南省におけるHIV感染と動向の分析" 日本公衆衛生雑誌. 44・5. 400-410 (1997)
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[Publications] K.Tajima, K Soda: "Epidemiology of AIDS/HIV in Japan" J.of Epidemiology. 6・3(s). S67-S74 (1996)
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[Publications] 岡本 幹三, 森尾 眞介,他: "質問票調査によるアジア諸国におけるHIV/AIDS流行状況" 日本公衆衛生雑誌. 43・8. 644-650 (1996)
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[Publications] 曽田 研二, 北村 勝彦: "NEW衛生公衆衛生学, 3版, 特論, 後天性免疫不全症候群(分担)" 南江堂(東京), 470 (1998)
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[Publications] 曽田 研二: "疫学ハンドブック-重要疾患の疫学と予防, 第3部, エイズ(分担)" 南江堂(東京), 374 (1998)