南米など三大陸におけるEBウイルス関連胃癌の疫学的研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09042007
• Research Category: Grant-in-Aid for international Scientific Research
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 秋葉 澄伯 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50145554)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): PEH SuatーChe マライヤ大学, 医学部, 準教授 ; CARRASCAL Ed バジェ州立大学, 医学部, 準教授 ; 孫 全富 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90295238) ; 愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471) ; 栄鶴 義人 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00041351)
• Keywords: EBウイルス / 胃がん / 人種間差 / 性差 / 生活習慣 / 疫学的研究

Research Abstract

本年度は、コロンビア、マレーシアから病理学者を招聘して共同研究を行うとともに、チリと中国へ訪問して研究の打ち合わせを行った。またメキシコとロシアからも胃がん症例を入手した。収集症例はコロンビア118例、メキシコ114例、チリ46例、マレーシア86例、ロシア548例で、このうちコロンビア、マレーシア、ロシアの症例についてはEBウイルスの同定を完了した。ロシアの方は少数民族の症例があるなど人種的に多彩であったため、比較的人数が多いコーカソイド、ウズベキスタン住民を対象とし、マレーシアの方は中国系住民のみを解析対象とした。がん発生部位が同定されている症例に限ったEBウイルス陽性率は、ロシア:男16%女3%、ウズベキスタン:男15%女6%、サハリン:男12%女8%、マレーシア:男8%女0%となっており、人種による差がある可能性を示している。また、これまでの結果から予想されたように性・胃がんの部位で陽性率は大きく異なっていた。この性・部位パターンが国によって異なるか否かを検討するためには各国の症例数をもう少し増やす必要がある。コロンビアとメキシコからはさらに少なくとも100症例が入手できる予定であり、中国からも症例を入手すべく交渉中である。また、今年度は対象とできなかったインドなどとも交渉を進める予定である。今後は各国の生活習慣などがエティオロジカルな背景に関与している可能性などについても検討できるように努力したい。

Research Products

• [Publications] Arikawa J.et al: "Morphological characteristics of Epstein-Barr virus-related.early gastric carcinoma" Pathol.Int.47. 360-367 (1997)
• [Publications] Sidagis J.et al: "Molecular epidemiology of Epstein-Barr virus(EBV) in EBV-related malignancies" Int.J.Cancer. 72. 72-76 (1997)
• [Publications] Arikawa J.et al: "Epstein-Barr virus-positive multiple early gastric cancers and dysplastic lesions" Path.Int.47. 730-734 (1997)
• [Publications] Galetskyl SA.et al: "Epstein-Barr virus-associated gastric cancer in Russia" Int.J.Cancer. 73. 786-789 (1997)