1997 Fiscal Year Annual Research Report
現代中国における「中間階級」の生成に関する共同研究
Project/Area Number |
09044038
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
園田 茂人 中央大学, 文学部, 教授 (10206683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANK Doid L. 上智大学, 比較文化学部, 助教授
厳 喜平 桃山学院大学, 経済学部, 助教授 (00248056)
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
菱田 雅晴 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (00199001)
天児 慧 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70150555)
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Keywords | 現代中国 / 中間階級 / 質問票調査 / 比較研究 / 職業移動 / 地域移動 / 政治意識 / 価値観 |
Research Abstract |
2年間に跨る調査研究の一年目は、前半でまず、研究メンバー間でのブレインストーミングと問題点の洗いなおし、従来の研究動向のレビューを行った。そうすることによって、各自の問題意識が鮮明になるとともに、どのような研究を行えば現代中国の中間階級の特質を掴むことができるかが明確になると考えたからである。そして、これを踏まえて8月末に外国人研究者を招へいして合同研究会を開催し、基本的な仮説を明確にするとともに、1)調査地点を天津と重慶にすること、2)これに香港や台北のデータも踏まえた比較研究を進めること、3)質問票調査による中間階級の分析に専念すること、4)同時に、各自が行うフィールドワークによるデータを利用し、分析の深みを出すことなどが確認された。また、重要な論点としては、世代内・世代間の職業移動や地域移動がどの程度頻繁に起こっているか、移動が政治意識や価値観の変化にどのような影響を及ぼしているか、実態としての中間階級に果たして「中国的」特徴は見られるか、といった点が挙げられ、今後の分析の焦点とすることが確認された。 1998年9月からは、天津社会科学院社会学研究所のメンバーを中心に、天津市調査グループが組織され、研究協力者である潘允康氏が調査の総指揮にあたった。潘氏の献身的な努力により、天津市区内の5つの区を対象に多段層化法によるランダムサンプリングによる質問票調査が実施され、その結果と比較するレファランスとしての中間階級サンプルを、経営者が集まる諸団体を通じて集め、前者は1200サンプル、後者は800サンプル、合計して2000サンプルが集まることになった。現在、プロジェクトメンバーが、それぞれの関心に応じてデータ分析を行っている最中で、最終的なアウトプットは出ていない。来年度の重慶調査との比較軸も含め、各自が問題意識を暖めているところである。
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Research Products
(2 results)