1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044065
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和達 三樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60015831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋上 和弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262151)
木村 芳文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
矢嶋 徹 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (40230198)
飯塚 剛 愛媛大学, 理学部, 助手 (10263922)
出口 哲生 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70227544)
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Keywords | 光ソリトン / 可積分境界条件 / ボ-ズ・アインシュタイン凝縮 / 離散可積分系 / 離散W代数 / 非対称排除過程模型 / 曲線短縮方程式 / 多次元非線形シュレディンガー方程式 |
Research Abstract |
「非線形波動と非線形力学系の物理学的研究」について、次の成果を得た。 1.光ファイバーが周期性を持つ場合を考察した。線形系においてエネルギー・ギャップ帯にある波動は伝播しないことがよく知られているが、非線形系では実行的な周波数が変位することにより、光ソリトンが伝播しうることを示した。 2.量子可積分系に対して、その可積分性を保つ境界条件を考察した。特に、1次元ハバ-ド模型において、ベ-テ仮説方式を導き、帯磁率や比熱等の物理量を計算した。 3.結晶成長や界面の問題に用いられる幾何学的模型を拡張し、その性質を明らかにした。第1に、速度によって指定される従来の模型を、加速度によって指定される模型に拡張した。この定式化により、時間に対して反転不変性を持つ曲線の運動が容易に記述できる。第2に、数学的によく調べられている曲線短縮方程式を、その性質が保たれるように離散化することに成功した。 4.離散可積分系の数理的構造を明らかにした。特に、長距離相互作用するボルテラ方程式について、可積分性、ヒエラキ-構造、ミウラ変換の一般化、W代数対称性、三重ハミルトニアン構造等を示すことができた。 5.ボ-ズ・アインシュタイン凝縮体は、よい近似として、グロス・ピタエフスキー方程式で記述される。この方程式は、ソリトン理論では非線形シュレディンガー方程式とよばれている。多次元非線形シュレディンガー方程式に対する安定性理論を、磁場にトラップされた引力相互作用を持つボ-ズ原子系に適用することにより、安定であるための粒子数の上限を計算することができる。リチウム7に対して、この予言と実験結果は、ほぼ一致することを発見した。 6.非平衡現象に対する基本的な模型として、1次元非対称排除過程を考察した。定常状態は、量子スピン系の研究において導入された、行列積の仮説を用いて表わされることが示された。この結果は、排除過程の模型が、量子スピン系と同じ数理構造を持つことを強く示唆し、大変興味深い発展が期待される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T. Iizuka: "Grating Solitons in Optical Fiber" J. Phys. Soc. Jpn.66. 2308-2313 (1997)
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[Publications] T. Deguchi: "Universality of Random Knotting" Phys. Rev. E.55. 6245-6248 (1997)
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[Publications] T. Deguchi: "Analytic Bethe Ansatz for 1-D Hubbard model and twisted coupled XY model" J. Phys. A : Math. Gen.30. 849-865 (1997)
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[Publications] T. Deguchi: "Magnetic susceptibility and low-temperature specific-heat of 1-D Hubbard model under open-boundary conditions" J. Phys. A : Math. Gen.30. 8129-8138 (1997)
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[Publications] K. Nakayama: "Motion of Curves Specified by Acceleration" Phys. Lett. A.224. 253-263 (1997)
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[Publications] K. Nakayama: "A. Discrete Curve-Shortening Equation" Math. Appl. Anal.4. 162-172 (1997)
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[Publications] M. Wadati: "Topics in Theoretical Physics" World Scientific, 27 (1997)
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[Publications] K. Hikami: "Important Developments in Soliton Theory" Springer-Verlag, 20 (1998)