1997 Fiscal Year Annual Research Report
PCB及びダイオキシン問題軽減のためのクロマトグラフィー技術の開発
Project/Area Number |
09044081
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PATTERSON Do 米国, 公衆保健局・防疫センター, 室長
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00209248)
老田 達生 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90152032)
大塚 浩二 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (70183762)
寺部 茂 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50115888)
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Keywords | ダイオキシン / PCB / 光分解 / 環境安定性 / 多環芳香族炭化水素 / グループ分離 / 動電クロマトグラフィー / EKC-MS |
Research Abstract |
PCB及びダイオキシンに関連する環境科学において、クロマトグラフィー的技術は相当の貢献をすることが可能である。水系環境中に存存するPCBを、疎水性の充填剤表面に吸着、捕集し、カラム外から紫外線を照射して分解する方法は、環境における光分解の生成物と分解経路、ならびに環境におけるPCBやダイオキシン類の安定性に関する知見を与えた。恐るべきことに、最も多量に含まれる成分の一つであるPCB-153は、非常に速く分解するが、中間生成物であるPCB-118はやや高い毒性と長い半減期(遅い分解速度)をもち、さらにその分解生成物であるPCB-77はPCB-153より10倍以上長い半減期と、はるかに高い毒性を有することが明らかとなった。この結果の意味は、PCB関連廃棄物の管理と処理において念頭に置くべきものであると考えられる。PCBやダイオキシン、あるいは、多環芳香族炭化水素を分析するための前処理として、これらの物質相互間のグループ分離は重要な課題であるが、今回開発したピレンやコロネンを結合したシリカゲルは、従来の活性炭などのカラムと比較して非常に速い、効率的なグループ分離を可能とした。実際に環境サンプルに対する適用が次の課題である。また、従来のGC-MSによる分析法は、ダイオキシンサンプル1件あたり、数十万円を要するが、簡便な前処理法と新しい分析法の開発はこれを下げる要素となりうる。動電クロマトグラフィー(EKC)-MSはこれに合致する分析法であるが、これを利用した農薬の分析の例を示した。さらに、ダイオキシン類、多環芳香族炭化水素類についてEKC-MS分析の可能性を検討している。以上のようにクロマトグラフィー技術は多方面で環境関連分離、分析、分解技術の改良を通じて、ダイオキシン関連の問題の軽減に貢献する可能性がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Kimata, et al.: "Selectivity of electron-donor- and electron-acceptor-bonded silica packing materials for hydrophobic environmental contaminants in polar and nonpolar eluent" Journal of Chromatography. 786. 237-248 (1997)
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[Publications] H.Minakuchi, et al.: "Effect of skeleton size on the performance of octadecylsilylated continuous porous silica columns." Journal of Chromatography. 762. 135-146 (1997)
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[Publications] K.Kimata, et al.: "Direct chromatographic separation of racemates on the basis of isotopic chirality." Analytical Chemistry. 69. 2610-2612 (1997)
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[Publications] H.Minakuchi, et al.: "Effect of domain size on the performance of octadecylsilylated continuous porous silica columns in reversed-phase liquid chromatography." J.Chromatogr.(印刷中). (1998)
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[Publications] N.Tanaka, et al.: "Polyallylamine-supported pseudo-stationary phases for electrokinetic chromatography.Effect of alkyl chain length and methanol content." J.Chromatogr.781. 139-150 (1997)
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[Publications] N.Tanaka, et al.: "Control of migration time window and selectivity in electrokinetic chromatography with mixed polymeric pseudostationary phases" J.Chromatogr.(印刷中). (1998)