1999 Fiscal Year Annual Research Report
PCB及びダイオキシン問題軽減のためのクロマトグラフィー技術の開発
Project/Area Number |
09044081
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
老田 達生 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90152032)
大塚 浩二 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (70183762)
寺部 茂 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50115888)
池上 亨 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (20301252)
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00209248)
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Keywords | ダイオキシン / PCB / 光分解 / 毒性等価係数 / HPLC / 吸着 / 血清サンプル前処理 / 除タンパク |
Research Abstract |
水系環境や土壌中のPCBやダイオキシンの光分解挙動、とくに毒性が低い多置換PCBやダイオキシンの光分解が、コプラナPCBあるいは2378-置換ダイオキシンを生成させ毒性を増加させる可能性について検討を行った。環境中のPCBやダイオキシンは、高い疎水性の故に有機材料あるいは無機質の表面に吸着されて存在するが、その光分解において、水素源の存在の有無が反応経路を支配し、ある条件下で高毒性のコプラナPCBや2378-テトラクロロダイオキシンが選択的に生成する可能性がある。種々のPCBあるいは多置換ダイオキシンを、(1)アルキル化シリカ表面/アルコール-水、および(2)ガラス表面/アルコール-水、(3)アルキル化シリカ表面(乾燥状態)および(4)ガラス表面(乾燥状態)に吸着し、石英管中で太陽光により分解し、生成物を検討した。いずれの表面においてもアルコール-水混合溶媒の存在下においては、1-2日間でほぼ完全な分解が見られた。PCBについては、オルト位から優先的な塩素の脱離が起こり、中間体としてコプラナPCBが生成した。これが高い毒性と光に対する高い安定性をもつので、毒性等価量は光分解によって増加する可能性がある。ダイオキシンについては、アルキル基あるいはアルコールのような水素源が存在する場合には、2378-位から優先的な塩素の脱離が起こり毒性が速やかに失われるのに対して、ガラス表面/乾燥状態においては、毒性の高い2378-塩素置換置換ダイオキシンが優先的に生成する可能性が示された。この結果は、ダイオキシン類によって汚染された土壌等が太陽光にさらされたとき、有機物が共存しない条件下では、毒性の高い同族体が生成する可能性を示すものであり、汚染土壌等の管理法に警告を発するものである。今後、水中、土壌中のPCB、ダイオキシン類の回収、分解法の開発を目指していく。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Oida et al.: "Photolysis of polychlorinated biphenyls on octadecylsilylated silica particles"Chemosphere. 39. 1795-1807 (1999)
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[Publications] T.Ikegami et al.: "Isolation of Polychlorodibenzo-p-dioxins and polychlorobiphenyls upon deproteinization of a serum sample by HPLC with restricted-access packing materials"Journal of High Resolution Chromatography. 22. 287-293 (1999)
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[Publications] 田中 信男: "HPLC充填剤の高性能化への基礎的アプローチ"Chromatography. 20. 1-10 (1999)
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[Publications] N.Tanaka et al.: "Effects of electrokinetic-chromatography conditions on the structure and properties of polyallylamine-supported pseudo-stationary phase: A study by dynamic light scattering"Journal of Chromatography. 836. 295-303 (1999)
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[Publications] N.Ishizuka et al.: "Performance of a silica rod column in a capillary under pressure-driven and electro-driven conditions"Analytical Chemistry. 72(in press). (2000)
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[Publications] N.Tanaka et al.: "Monolithic Silica Columns for HPLC,micro-HPLC,and CEC"Journal of High Resolution Chromatography. 23. 111-116 (2000)
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[Publications] N.Tanaka et al.: "Separation of Fullerenes"Royal Chemical Society(分担). 107-128 (1999)