1997 Fiscal Year Annual Research Report
エマルショントラッカーによるニュートリノ振動の探索
Project/Area Number |
09044102
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渋谷 寛 東邦大学, 理学部, 助教授 (40170922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WILQUET Gast 国立科学研究財団, ブラッセル大学, 上級研究員
小川 了 東邦大学, 理学部, 講師 (10256761)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子核乾板 / エマルショントラッカー |
Research Abstract |
欧州合同原子核研究機構(CERN)で遂行中のニュートリノ振動実験WA95/CHORUS RUN 2において、空芯電磁石の前後に位置分解能の良い原子核乾板を用いたエマルショントラッカー(ET)を新たに導入し、ファイバー飛跡検出器と組み合わせてハドロンの電荷と運動量を高精度に測定すると共に測定可能領域を拡張する。これにより、タウ崩壊の検出効率を向上させυ_μ-ν_τニュートリノ振動をより高感度で探索するのが本研究の目的である。 今年度行った事およびその成果は以下の通りである。 1 現地のCERNにて原子核乾板を塗布、製作し、ベルギーの共同研究者とともに、ハニカム板に固定して大型エマルショントラッカー(ET)を構成してCHORUS実験装置に挿入、設置した。 2 基準点を測量し、較正用ビームを照射し、データを収集した。 3 約6カ月間のニュートリノ照射とデータ収集を行った。 4 照射実験終了後、乾板を取り出し、現像等の処理を行った。処理済みの乾板は東邦大学に送り返した。 5 ファイバー検出器により較正用ミューオンビームを再構成してET上に外挿し予想位置、角度を計算した。 6 その予想位置、角度に基づいてミューオン飛跡をET上で検出して3層のET相互の位置関係較正を開始した。 7 その結果、中心部分の乾板については、各層約25μmの精度で位置関係を較正できることがわかった。
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[Publications] Hiroshi Shibuya: "A search for υ_μ-ν_τ oscillation with CHORUS at CERN" Nuclear Physics B(Proc.Suppl.). 59. 277-282 (1997)
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[Publications] E.Eskut et al.,: "The CHORUS experiment to search for υ_μ→ν_τ oscillation" Nucl.Instr.and Meth.A. 401. 7-44 (1997)